【今週の振り返り】外部要因に対する安定感が増し221円上昇した週

2016年02月27日 20:31

0205_002

原油安にも負けず、NY株安にも負けず、円高にも上海の乱高下にも負けぬ。ワルノリはなく、仕掛けにも決して狼狽せず。そういう者に東京市場はなれた、か?

 22日の日経平均は反発。前週末19日のNYダウは21ドルの小幅続落だったが週間騰落はプラスだった。NASDAQはプラス。1月のCPIは市場予測を上回ったが、原油在庫の増加で原油先物価格が29ドル台に下落しダウは上値を抑えられた。CME先物清算値は15825円。為替のドル円は一時の113円台から112円台に逆戻りし、22日朝方は112円台半ば、ユーロ円は125円台前半だった。

 日経平均は115円安の15851円で始まる。9時6分に15816円まで下げCME先物清算値へのさや寄せ終了。序盤はそこから反発して15900円を超えプラスにタッチ。10時前からドル円が113円台に乗せる円安の動きに合わせて上昇し、16000円も16100円も突破し、10時16分に16187円の高値をつける。TOPIXも1300にタッチ。上海市場はプラスで始まるが円安の動きが一服すると16100円を割り込み、前引けは92円高の16060円だった。上海は上昇幅を拡大し午前の取引を終了。後場の日経平均は16100円を超えて再開し、3ケタ高水準で小動きしながら16100円台をほぼ維持する。それでも高値更新はできない。再開した上海市場は2%を超える上げ幅を維持。前週は毎日どこかで円買いを伴う先物主導の下落局面があったが、この日は2時台もその気配がなく為替は113円近辺、日経平均は16100円台をほぼ維持。前週後半良くなかったソフトバンクG<9984>も反発して、落ち着いたまま大引けになった。

 日経平均終値は143.88円高の16111.05円、TOPIX終値は+8.18で1300.00とジャスト大台回復。商いは低調で売買高は20億株、売買代金は2兆581億円で今年最低。値上がり銘柄数は1256、値下がり銘柄数は588。プラスは27業種で、上位は空運、水産・農林、食料品、陸運、その他製品、ゴム製品など。マイナスは6業種で、下から鉱業、鉄鋼、銀行、電気・ガス、石油・石炭、パルプ・紙。上海総合指数は2.34%の大幅高だった。

 23日の日経平均は小幅反落。週明け22日のNYダウは大幅高水準で安定し228ドル高で3営業日ぶり反発。NASDAQは続伸。欧米の経済指標が軟調でも原油先物価格が31ドル台に上昇し、金属市況も好転して資源セクターが買われた。月曜日は東京起点で株高が地球を周回。EU離脱懸念で英国ポンドが急落して起きた円買いが落ち着き、朝方の為替レートはドル円は113円にタッチし、ユーロ円は124円台後半。CME先物清算値は16160円。

 日経平均は119円高の16230円で始まる。序盤は上げ幅が100円を超える水準を維持して9時24分に15350円まで上昇する。しかし為替のドル円が113円台に定着できず円高方面に折り返すと日経平均も同調し、安値を更新して16200円そこそこまで押し戻され、10時台は16200円を下回る。それでもプラス圏は維持していたが、上海市場がマイナスで始まって下げ幅を拡大すると一時マイナスに落ち、16079円まで下げる。もみあいながら11時台はプラスに戻して前引けは15円高の16126円。TOPIXはマイナス。

 昼休み中に上海はさらに下げ、為替のドル円も円高進行で111円台になる時間帯もあり、後場はマイナスで再開。下げ幅を拡大して1時7分に16001円まで下げるが、大台をかろうじて維持する。ここで政府・日銀のドル買い円売り介入、いわゆる「元祖・日銀砲」が炸裂したらしくドル円レートがいきなり50銭円安に振れ、日経平均も100円ほど上昇するが、見透かされたように半分逆に戻される。1時台は一時プラスにタッチしながらすぐマイナス圏に戻る。2時台は上海が大幅安で再開し、日経平均は再び下落する。それでもプラスタッチの時間帯もあるなど底堅く推移し安値を更新することなく59円安で終えた。19日はレジスタンスラインだった16000円がこの日はサポートラインになり、敵を兄弟に変える優しい法則。日経平均先物日中取引はプラスで終了した。

 日経平均終値は59.00円安の16052.05円、TOPIX終値は-8.83の1291.17。売買高は23億株、売買代金は2兆2925億円。値上がり銘柄数は442、値下がり銘柄数は1415。プラスは8業種で、その上位は鉄鋼、非鉄金属、保険、鉱業、海運、卸売など。マイナスは25業種で、その下位は水産・農林、不動産、情報・通信、食料品、建設、小売など。上海総合指数は0.81%安だった。

 24日の日経平均は続落。アメリカの中古住宅販売は11%増と良く、決算はメーシーズは減収減益でもホーム・デポは好決算だったが、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相の「我が国は原油生産を削減しない」と協調減産を否定する発言が全てを暗転させた。清算限月が変わった原油先物価格は約4%下落し31ドル台。ヨーロッパ市場は軒並み安。NYダウは安値圏でもみあうだけで188ドル安で終えた。朝方の為替レートはドル円が112円近辺、ユーロ円が123円台前半まで円高進行。CME先物清算値は15830円。

 16000円割れ覚悟の日経平均は200円安の15851円で始まる。15800円を割り込んでも9時23分の15753円どまり。10時台に15900円も突破し、11時ちょうど16000円にタッチして16006円の高値を取る。新規IPO再開に刺激されたか中・小型株が良くTOPIXはプラスにタッチ。為替は動きが乏しくても上海市場はマイナスで始まってプラスに変わる。前引けでは抑えられ103円安の15948円。上海は再びマイナスになったが小幅安で午前の取引を終わる。後場冒頭の日経平均は15900円台前半で動きが小さくなる。1時台は15900円を割り込み15800円も下回りそうになるが、そこで上昇に転じ2時台に入ると15900円台にタッチ。再開した上海が下げ幅を圧縮しても日経平均は連動しなかった。終盤まで前日終値から150円ほど下のマイナス圏、15900円をはさむ小動きで、平穏なまま大引けは136円安の15915円で終えた。

 新規IPOが1件。2016年の第1号、「はてなブックマーク」「はてなブログ」で知られるはてな<3930>が東証マザーズに新規上場。大引けまで初値がつかず、公開価格800円の2.3倍の1840円の買い気配で終了。人気のIT、ネット、コンテンツ関連で、新規IPOは12月から約2ヵ月も待たせたので、いきなり初値が翌日持ち越しになった。