スズキ、インド工場生産のコンパクトHB「バレーノ」を逆輸入して日本で販売

2016年03月11日 08:27

Baleno

昨年の東京モーターショー、スズキブースにさり気なく置かれていた「新型バレーノ」、地味な演出で気付かなかった来場者も多かったかも…

 スズキは2016年3月9日、インドの現地子会社「マルチ・スズキ(Maruti Suzuki)インディア社」のマネサール工場で生産し、日本に輸出し国内販売するBセグメントの逆輸入車である小型ハッチバック(HB)車「バレーノ(Baleno)」を発表した。B/Cセグメント向けの新プラットフォームや新開発1リッター直噴ガソリンターボエンジンを初めて採用したグレード「XT」グレードと1.2リッターのNAガソリン搭載の「XG」グレードをラインアップするコンパクトだ。1リッター・ターボ搭載の「XT」は、遅れて5月13日からの発売となる。
 
 スズキは3種類の新しいプラットフォームとして軽自動車向け、Aセグメント向け、B/Cセグメント向けをそれぞれ開発してきた。新型バレーノは、このBセグ向けのプラットフォームを採用した初めてのモデルだ。これまでスズキは、軽自動車向けプラットフォーム採用モデルとして「アルト」、Aセグメント向けでは「ソリオ」「イグニス」などを実用化してきた。今回のバレーノの投入で新プラットフォームのラインアップが揃った恰好だ。

 小型車としては、旧プラットフォーム採用のBセグメント車「スイフト」、新Aセグメントプラットフォーム採用の「イグニス」などがある。スイフトとイグニスは個人利用を中心に想定しているのに対して、バレーノは家族5人がゆったり座れることを想定して設計したという。

 この新型バレーノ、昨年の東京モーターショーで、さり気なく展示されていたので、見た自動車ファンも多いはずだ。エクステリアは、低くそして広い力強くエレガントなスタイリングが特徴。全長4mほどのコンパクトなボディサイズとしながら、レイアウトを効率化することで、ゆとりある居住空間と荷室スペースを確保したパッケージングを実現した。

 車両サイズは全長×全幅×全高3995×1745×1470mm、ホイールベース2520mmだ。全長は4mを切るサイズで短めだが、全幅は1700mm超と広くしたことで3ナンバーボディとなった。

 モデル構成は、パワートレーンの違いで明確だ。最高出力111psを発生する新開発1リッター3気筒直噴ターボを搭載し、6速ATの組み合わせる「XT」と、最高出力91psの1.2リットル4気筒NAとCVTの組み合わせる「XG」の2種類とした。しなやかで快適な乗り心地を追求した足まわりとあわせて、高い走行性能と優れた燃費性能を実現した。JC08モード燃費は、1リッターターボに6速オートマティックを組み合わたXTで20.0km/リッターを達成している。

 安全装備として、ミリ波レーダーで先行車との衝突を回避する「レーダーブレーキサポートII(RBSII)」、先行車追従機能を採用した。

 ターボモデルのXTの価格は161万7840円、NAモデルのXGが141万4800円だ。バレーノは、すでにインド国内で販売しており、グローバルコンパクトカーとして、日本に続いて欧州をはじめ世界の市場に展開する計画だという。(編集担当:吉田恒)