東京電力は11日までに福島第一原発事故に係る通報・報告に関する経緯・原因等について検証する弁護士3人(元裁判官や元検事ら)からなる「第三者検証委員会」を設置した。
メルトダウンの判断など、福島第一原発事故当時「炉心損傷割合が5%を超えていれば『炉心溶融と判定すること』と明記されている社内マニュアルが存在したことが国会事故調や原子力規制委員会の調査でも分からなかった中、新潟県技術委員会の調査で分かり、東電は今年2月24日に社内マニュアルの存在を発表していた。
東電がメルトダウンを正式に認めたのは事故から2か月後の5月だった。東電は「新潟県技術委員会に事故当時の経緯を説明する中で、上記マニュアルを十分に確認せず、『炉心溶融を判断する根拠がなかった』という誤った説明をしていた。深くお詫びします」と陳謝し、経緯や原因を第三者の協力を得て検証するとしていた。
検証委員会は(1)当時の社内マニュアルに則って、炉心溶融を判定・公表できなかった経緯(2)原因、(3)当時の通報・報告の内容(4)新潟県技術委員会に事故当時の経緯をご説明する中で誤った説明をした経緯や原因(5)第三者検証委員会が必要と考える項目につき調査する。
検証においては、TBSが10日の報道番組で「JNNは事故が起きる3年前に、東電社内で『15.7メートルの津波』が来ると試算していた非公開の内部資料を入手した」と報じた。「職員向けの資料には『津波対策は不可避』とも記されていた」としており、この資料の研究報告を受けての東電の津波対策がどうであったのかも第三者検証委員会の検証項目に入れる必要がありそうだ。(編集担当:森高龍二)