28日の日経平均は大幅続伸。前週末25日はヨーロッパもアメリカも復活祭(イースター)前の「聖金曜日」で休場。ヨーロッパ主要市場は28日も休場。25日の大阪の日経平均先物夜間取引終値は16890円で、配当権利落ち分推定112.8円を足すと17002.8円。日経新聞の「安倍内閣が5月のサミット前に経済対策を策定し、参議院選挙後に補正予算を編成。消費増税再延期も視野」という記事に反応し、朝方の為替レートはドル円が113円台半ば、ユーロ円が126円台後半まで円安進行。読売はダメでも日経なら信用する?
3月期決算銘柄の権利付き最終売買日の日経平均は126円高の17129円で始まる。序盤の高値は9時10分の17167円、安値は9時16分の17096円。その後はおおむね17100円台前半の値動きがずっと続く。為替のドル円は徐々に値を刻んで円安に進み、上海市場も小幅プラスで値動きが乏しい。海外投資家が休んだらこんなに平和なのか。変化がないまま前引けは131円高の17134円だった。
上海の午前の取引は小幅高で終了。後場の日経平均は前引け水準で再開し、17100円台前半のおだやかな値動きだったところへ、1時を回るとゲリラ急落が勃発。為替のドル円は積んだ山を崩すように113円台前半へ円高急進。1時台後半はプラス圏も17000円も守りきれず1時50分に16961円まで下げた。為替とセットの先物仕掛け売りなのでTOPIXはマイナスの時間は数分だけ。27日から夏時間に移行した大陸ヨーロッパは朝6時台。復活祭から一夜明ければさっそく東京で先物の仕掛け売り出動とは、全然、悔い改めていない。突然のつむじ風のごとき下落の後、日経平均は2時までにプラスに戻る。上海市場は小幅高で再開し一時マイナスにタッチするが、日経平均は下落の傷口をふさぐかのように上昇を続けて終盤には17100円を突破。為替のドル円が113円50銭をはさんで上下に振れても、前引けとほとんど同じ131円高の17134円で終了。配当狙い、株主優待狙いの買いは終盤に集まりTOPIXは高値引けで、強かった権利付き最終売買日だった。
日経平均終値は131.62円高の17134.37円、TOPIX終値は+15.80の1381.85。売買高は18億株、売買代金は1兆9283億円と薄商い。値上がり銘柄数は1562、値下がり銘柄数は301。プラスは32業種で、その上位は海運、倉庫、鉄鋼、医薬品、陸運、電気・ガスなど。マイナスは鉱業1業種のみ。上海総合指数は終盤に崩れて0.72%安だった。
29日の日経平均は3営業日ぶりに小幅反落。ヨーロッパ主要市場は「復活祭」の翌月曜日(イースター・マンデー)の休日で休場。連休明け28日のNYダウは薄商いの中、方向性定まらず19.66ドル高と続伸。NASDAQはマイナス、S&P500はプラス。中古住宅販売仮契約指数は市場予測を大幅に上回り、個人消費支出は13ヵ月連続プラスだったが、アトランタ連銀の1~3月期「GDPナウ」が大幅に下方修正された。原油先物価格は終値39ドル台でほぼ横ばい。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が早期利上げに慎重な見方を示し4月利上げ観測が後退したため長期金利は低下、為替はドル安。朝方の為替レートはドル円は113円台半ば、ユーロ円は127円近辺だった。CME先物清算値は16950円。
取引時間前に発表された家計調査の二人以上世帯実質家計支出は+1.2%で6ヵ月ぶりのプラス。商業動態統計の小売業販売額は+0.5%で1月の-0.2%から改善し、ともに市場予測を上回ったが、雇用統計に暗雲が漂う。完全失業率は3.3%で1月比で0.1ポイント悪化。市場予測の3.2%よりも悪い。有効求人倍率は1.28倍で1月と同じで、市場予測の1.29倍より下。新規求人倍率は1.92倍で5ヵ月ぶりに低下した。
3月期決算企業の配当権利落ち日で、配当落ち分が自動的に差し引かれて始まる日経平均は、CME清算値にさや寄せし149円安の16985円で始まる。配当落ち分を超える下落。序盤は9時6分に17044円まで戻したかと思えば9時36分に16948円の安値をつける。ドル円もやや円高だが雇用指標の悪化も重くのしかかる。それでも17000円台はすぐ回復し、10時前後からドル円が円安方向に反転すると先物主導で急伸し、高値を更新しながら下げ幅圧縮。17100円を超え10時34分に17120円まで上昇する。上海市場がプラスで始まってもマイナスに変わった影響で一時下落するが、その上海が反転すると再び上昇に転じ、上海とほぼ同時刻の11時14分にプラスにタッチした。高値は17137円。その後はシンクロして少し下げる。社交ダンス大会なら絶妙のコンビネーションをみせて点数高い。17100円台を維持したまま前引けは27円安の17106円だった。
ダンスがソロのパートに入った上海は下げ幅を1%以上に拡大し午前の取引を終了。入れ替わりの後場の日経平均も69円安で下げ幅を拡大して再開。ドル円が少し円高に振れたので下げ幅が100円を超え、17000円も守りきれず一時割り込む。東京市場の弱気の虫は権利確定イベントを通過してもまだおさまっていない。それでも1時台にかけて徐々に下げ幅を圧縮し、2時台には17100円台に再びタッチ。上海市場は再開後、マイナス圏で少しずつマイナス幅を圧縮する動き。日経平均は終盤の大引けギリギリで17100円台に乗せ、30.84円安の17103円で終えた。日経平均先物日中取引終値は17100円。配当落ち分を埋めてプラスに浮上したのは11時15分頃の数分間だけだったが、それほど悪くない配当権利落ち日だった。
日経平均終値は30.84円安の17103.53円、TOPIX終値は-4.25の1377.60。売買高は17億株、売買代金は1兆8382億円と薄商いはなお続く。値上がり銘柄数は789、値下がり銘柄数は1061。プラスは11業種で、その上位は不動産、小売、その他金融、繊維、ゴム製品、食料品など。マイナスは22業種で、その下位は鉱業、空運、医薬品、銀行、石油・石炭、非鉄金属など。ダンスはうまく踊れない上海総合指数は1.28%安だった。
30日の日経平均は大幅続落。復活祭休暇明けのヨーロッパ市場は英国以外プラス。イエレンFRB議長がNYで講演し、「金融政策は慎重に進める必要がある」と利上げに慎重な姿勢を見せた。インフレ率は2%に届かない見通しで雇用の回復は不十分だとし、ゼロ金利や量的緩和にまで言及するハト派サプライズ。4月利上げ説を粉砕した講演直後にNYダウはマイナスからプラスに転換し、終値は97ドル高。原油先物価格は38ドル台に低下したが、CB消費者信頼感指数、S&Pケース・シラー住宅価格指数が市場予測を上回る。利上げが遠のきアメリカの長期金利が低下したためドル安円高が進行し、朝方の為替レートはドル円が112円台後半、ユーロ円が127円台前半。CME先物清算値は17020円。
取引時間前に発表された2月の鉱工業生産指数は前月比6.2%も低下。ただし愛知製鋼<5482>の爆発事故によるトヨタ<7203>の生産停止という特殊要因はある。日経平均は25.50円安の17078円で始まる。「寄り高」で下落し9時26分に16984円まで下げる。しかし17000円を下回る時間帯は少なく、為替が円高でも「イエレン効果」が出たのか底堅い展開。上海市場はプラスで始まり上げ幅が1%を超えさらに上昇する。10時台の日経平均は寄り付き水準まで上昇し、11時台に17010円付近まで売り込まれる場面はあったが、前引けは56円安の17047円。