社民党の吉田忠智党首は、米国公文書で沖縄県が本土に復帰する前の1967年に米軍内部で名護市辺野古を埋め立て、2本の3000m級滑走路と軍港を備えた基地を作る計画があったことがわかったことに「現在強行されている辺野古新基地建設は普天間基地の移設ではなく、米軍の意向に添った新基地建設であることが明らかになった」と反対姿勢を一層強めている。
辺野古への普天間代替施設建設が「新基地だ」との指摘は日本共産党の山下芳生書記局長が2015年3月17日の参院予算委員会で指摘していた。その時のやり取りから、今回の滑走路と軍港を備えた基地との構図が浮かび上がる格好になっている。
そのやり取りの部分は以下の通り。山下議員「普天間基地の滑走路は1本ですが、辺野古の新基地には1800メートルの滑走路が2本造られます。それだけではありません、新基地には弾薬搭載エリアが造られます。これは普天間基地にありますか」。
防衛相「普天間基地には弾薬搭載エリアはありません」。
山下議員「普天間では軍用機に弾薬を直接積み込むことはできません。嘉手納まで行って積む必要があります。辺野古の新基地では新たに広大な弾薬搭載エリアが造られます。また新基地には船を係留する係船機能付き護岸が造られます。これは普天間にありますか」
防衛相「普天間にはございません」
山下議員「辺野古の海を埋め立てて造られる新基地は背景地にあるキャンプ・シュワブあるいは辺野古弾薬庫と一体で運用されることになります。一体で運用される基地の面積は現在の普天間基地の約5倍、嘉手納の約1.2倍に相当します。米太平洋海兵隊施設部隊2025戦略展望にはキャンプ・シュワブは新基地と一体で非常に大きく変化し、大きく再構成され、新しい施設に航空・陸上部隊を受け入れると書かれてあります」とも指摘。
山下議員は「係船機能付き護岸ができ、船から弾薬を引き上げて辺野古の弾薬庫に運び入れることもできるし、弾薬を弾薬搭載エリアでヘリに装填することも、オスプレイで運んでいくこともできるようになる」と「巨大なスーパー基地に生まれ変わる」ものと指摘していた。(編集担当:森高龍二)