2日の日経平均は大幅5日続落。前週4月28日のNYダウは210ドル安で反落。アップルの決算の悪さに日銀会合の金融政策現状維持、さらにドイツのCPIが予想外のマイナスで、1~3月期のアメリカの実質GDPは年率換算+0.5%で市場予測の+0.7%を下回り2年ぶりの低水準。悪材料ばかり重なって大幅安になった。為替のドル円は一時、1年半ぶりの106円台まで円高進行。
前週末4月29日の上海総合指数は0.25%安。NYダウは57ドル安で続落。NASDAQは7営業日続落と深刻。ヨーロッパ市場は全面安。個人消費支出、シカゴ購買部協会景気指数は市場予測を下回り、ダウは終日マイナス圏で推移した。企業決算はアマゾンは好決算だったが他はまちまち。原油先物価格は反落したが、それでもまだ45ドル台。CME先物清算値は15860円。2日朝方の為替レートはドル円が106円台前半、ユーロ円が121円台後半で、ドル円は4月28日の午前中から5円も円高に振れていた。
日本は通貨安政策を懸念するアメリカの為替監視リストに入ったが、麻生財務大臣は「一方的で偏った投機的な動きをきわめて憂慮している。必要に応じて対応する」と為替介入も辞さない構え。日本経済新聞・テレビ東京調査の安倍内閣の支持率は7ポイント上昇して53%。3連休明けの日経平均は308円安の16357円で始まるが、それを寄り高(寄り天)に、売り気配の銘柄に値がつくにつれて下落し9時11分に15975円まで下落する。しかし4月12日以来の16000円割れは一時的。先物は15960円で始まっても16000円台に乗せて底堅い。TOPIXは1300を割り込む。上海など中国本土市場、香港市場はメーデーの振替休日で休場。連休の谷間の薄商いの中、おおむね16000円を少し上回る水準の小動きが延々続く。連休の谷間らしい動きで、東京時間に入ってから為替のドル円が106円半ばで下げ止まっているのが支援材料。16000~16100円のレンジで変化がないまま、前引けは604円安の16062円だった。
後場は16100円にタッチして再開。前場同様動きが乏しいが、1時台後半からは16100円台に安定的に乗せる。東証1部全体ではマイナスからプラスに転じる銘柄が増え、TOPIXは下げ幅を圧縮して1300に接近する。日経平均は500円を超える大幅安でも底堅い展開が続く。4月の軽自動車販売は、燃費データねつ造スキャンダルが影響して三菱自動車<7211>が44.9%減、OEM供給先の日産<7201>が51.2%減。ダイハツ工業<7262>、ホンダ<7267>、マツダ<7261>、トヨタ<7203>は販売台数を伸ばした。「軽」全体では7.5%減だが、登録車は7.2%増で3ヵ月ぶりに増加。乗用車は小型車より普通車のほうが伸びが大きいので「軽から1000ccのコンパクトカーへのシフト」ではない模様。軽の増税後も、自動車税も重量税も依然3倍以上の税額差がある。2時台は為替のドル円が少しだけ円高方向に振れると16100円を一時割り込むが、終盤は16150円を超えてTOPIXは1300を突破。しかし終値では抑えられ518円安の16147円で5日続落。TOPIXは1300をわずかに割り込んだ。
日経平均終値は518.67円安の16147.38円、TOPIX終値は-40.59の1299.96。売買高は24億株、売買代金は2兆6239億円で商いはそれほど薄くはなかった。値上がり銘柄数は168、値下がり銘柄数は1758。全33業種がマイナスで、その下位は海運、ガラス・土石、電気機器、輸送用機器、証券、その他金融など円高で輸出関連セクターは厳しい環境。上海市場は休場だった。
6日の日経平均は6営業日続落。週明け2日のNYダウは117ドル高で3営業日ぶりに大幅反発。ヨーロッパ市場はロンドンが休場。ドイツDAX、フランスCACは上昇。原油先物価格は約3%下落し、4月のISM製造業景況感指数は50.8で3月から1.0ポイント低下して市場予測の51.4も下回ったが、押し目買いが優勢で影響は一時的だった。建設支出は0.3%増で8年5ヵ月ぶりの高水準。合併を中止して資源セクターのハリバートンは上昇、ベーカー・ヒューズは下落。
3日の上海総合指数は、4月の財新・マークイット中国製造業PMIが49.4で3月実績も市場予測も下回り、14ヵ月連続50以下と悪かったが1.85%高。英国のPMIも悪くヨーロッパ市場は全面安。オーストラリア準備銀行(RBA)が予想外の利下げという手に出てドル円はついに105円台に突入したが、NY時間には106ドル台に戻した。NYダウは一時下落幅が200ドルを超え、終値140ドル安と反落。アメリカ新車販売台数は+3.6%で市場予測に届かなかった。
4日の上海総合指数は0.05%安。アメリカ大統領予備選はフィオリーナ氏の〃のど自慢〃むなしく共和党のクルーズ候補が撤退を表明。続いてケーシック氏も撤退してトランプ氏は候補者指名が確実に。もし大統領に当選したら、強豪をなぎ倒しレスターが優勝したイングランド・プレミアリーグ以上のジャイアント・キリングになる。そのヨーロッパ市場は軒並み安。NYダウは99ドル安と続落した。ADP全米雇用リポートは非農業部門雇用者数の伸びが15.6万人増で市場予測の19.3万人を大きく下回り市場心理を冷やす。ISM非製造業景況感指数は55.7で3月実績値も市場予測も上回り、製造業受注は2ヵ月ぶりの前月比プラスで原油先物価格も上昇したが、ダウはプラスに浮上できなかった。その原油が安かった3月のアメリカの貿易収支は輸入が5年3ヵ月ぶりの低水準で、貿易赤字は13.9%減。為替のドル円は107円台までドル高円安が進行した。
5日の上海総合指数は、財新の中国非製造業PMIは51.8に低下したが雇用は改善して0.22%高。ヨーロッパは英国とドイツが小幅高、フランスが小幅安。NY市場最大の材料はカナダ・アルバータ州フォートマクマレー付近の大規模な山火事で、オイルサンド地帯の原油採掘基地なので原油先物価格は46ドル台まで急騰。反応しNYダウは午前中は大幅高だったが、新規失業保険申請件数が+1.7万人で市場予測より悪く雇用統計への懸念がひろがり、原油先物価格が下がると午後はマイナスまで下落。それでも大引け間際にプラスに滑り込み9.45ドル高で3日ぶりに反発した。NASDAQ、S&P500はマイナス。原油先物終値は44ドル台で小幅高。メルクの決算は減収でも純利益が18%増でEPSが市場予測を上回り、アリババの決算は増収増益で好調。CME先物清算値は16045円。6日朝方の為替レートはドル円が107円台前半、ユーロ円が122円台前半で、連休中に伝わった「105円台ショック」は修復されていた。
取引時間前に発表された4月のマネタリーベースは5ヵ月連続で過去最高。トヨタ<7203>は車両生産が熊本地震前の水準に戻った。訪欧中の安倍首相が為替介入をほのめかす発言をして6日の日経平均は65円高の16212円で始まる。TOPIXは1300台を回復。日経平均は1分後に16271円まで上昇した後、マイナス圏まで下落する。いったんプラスに戻しても9時台は軟調。TOPIXは当初はプラス圏の1300台を維持していたが、9時台後半から崩されてマイナス圏に。10時台になっても安値更新が続くが16000円台はなんとか維持。上海市場は小幅プラスで始まり前日終値をはさんで動く。為替が107円台前半で円高方向に動き始めたため日経平均は下落に歯止めがかからない。5営業日で1425円下げた後でも、為替のドル円が105円台から107円台まで修正されても、薄商いの中、先物主導で東京の株価はアンニュイな安値更新が続く。何だ?この憂鬱は。10時55分にはとうとう16000円を割り込んで15989円まで下げた。それでも為替のドル円は107円を割り込まず、前場の残り時間は16000円の心理的節目に支えられながら推移し、前引けは115円安の16031円だった。
上海は大幅に下落して午前の取引を終了。後場は前引けよりやや高く再開するが、16000円より少し高いところで動きが乏しくなる。自民党の高村副総裁が北京で消費増税先送りに言及。世界経済の減速と熊本地震で「合わせて一本」とみればいいという。それを安倍内閣に「教育的指導」してほしいところ。だがアメリカ雇用統計発表直前で様子見ムードに支配された東京市場は反応薄。それでも1時台は若干上向き、2時を回ると16100円にもタッチ。上海は再開しても大幅安のまま。50円安前後、16100円をはさんで浮いたり沈んだりの小動きが続き、そのまま大引けになって40円安の16106円で6営業日続落。6日で1465円も下落した。
日経平均終値は40.66円安の16106.72円、TOPIX終値は-1.64の1298.32。売買高は21億株、売買代金は2兆2385億円。値上がり銘柄数は993で値下がり銘柄数843よりも多い。プラスは10業種で、その上位は空運、輸送用機器、水産・農林、陸運、ゴム製品、小売など。マイナスは23業種で、その下位は鉱業、鉄鋼、証券、海運、非鉄金属、石油・石炭など。上海総合指数は2.82%の大幅安だった。
今週の星取は0勝2敗。前週末4月28日の終値16666.05円から559.33円下落して今週の取引を終えた。前週から黒星が続いて、「世界は動いている。GWでのんびり休んでいる場合か?」などと文句を言う人がいそうだが、欧米にはイースター(復活祭)や感謝祭やクリスマスのホリデー、中国には春節や国慶節の長期休暇があり、お互いさま。「月月火水木金金」では、身がもたない。(編集担当:寺尾淳)