【今週の振返り】「閑散に売りなし」なのか98円上昇した週

2016年05月28日 20:17

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売買代金2兆円超えの日は1日もなく、売買高も売買代金も今年最少を更新。「閑散に売りなし」とは言うけれど、サミットの週に、みんなどこに行った?

 23日の日経平均は3営業日ぶりに反落。前週末20日のNYダウは65ドル高で4日ぶりに反発。ヨーロッパ市場は全面高。原油先物価格は終値で47ドル台に下がったが、FOMC議事録の発表で「やっぱり利上げは近い」とリスクオフした3日続落の買い戻しが優勢で、午前中は一時136ドル高になるなど終始プラスだった。アプライドマテリアルズの決算は業績回復を見込みマイクロン、インテルなど半導体セクターが買われた。「オールドネイビー」を日本から撤退させると発表したギャップは、決算は減収減益でも合理化期待で上昇。CME先物清算値は16725円。仙台・秋保温泉で開かれたG7財務相・中央銀行総裁会議は、世界経済について「中国を含め過度な悲観論はやや後退した」という見方を示し、為替については「過度な変動や無秩序な動きは経済、金融の安定に悪影響を与える」と確認したが、財政出動は「各国で判断」。通貨安をめぐる日米欧のさや当てはなかった模様。23日朝方の為替レートはドル円が110円台前半、ユーロ円が123円台後半。

 取引時間前に発表された4月の貿易収支は8235億円の黒字。3ヵ月連続の黒字、6年ぶりの高水準で為替には円高要因。日経平均は65円安の16671円で始まる。TOPIXもマイナス。9時台は16600円を割り込んで16500円付近まで下げる。為替のドル円が110円を割り込んで円高がどんどん進行し、日経平均は16500円を割り込んで10時16分に319円安の16417円まで下落する。貿易黒字よりは仙台のG7が「協調できず確認しただけ」で終わったことへの失望か? ドル円レートは109円60銭付近まで下げて反転。上海市場はプラスで始まって上げ幅を徐々に拡大していく展開。日経平均も16500円台に値を戻し、11時台は16500円台後半で推移し、前引けは182円安の16553円だった。

 上海市場はプラスを保ったまま午前の取引を終える。後場の日経平均はほぼ前引け水準で再開するが、0時台のうちに16600円を超え、1時台は16600円台後半で推移する。マイナス圏でも安定した値動き。為替のドル円も109円台後半で徐々に円安方向に進む。上海市場はプラス圏で再開。東京の気温は30度を超え、あやうくけだるい午後は薄商いで動きが乏しい。3月の景気動向指数の改定値は一致指数が前月比0.4ポイント上昇の111.1で、速報値より0.1ポイント低い。先行指標は0.4ポイント上昇の99.3。景気の基調判断は「足踏みを示している」で据え置き。4月の全国スーパー売上高は既存店ベース0.7%減で2ヵ月連続マイナス。お花見需要で食料品は良かったが「花冷え」で春夏物の衣料が売れなかった。2時台も16600円台半ばでもみあい、終盤は為替が円高方向に折り返し上海もプラス幅を圧縮したためやや失速気味に値を下げるが、最後にひと押し。終値は81円安の16654円で反落した。TOPIXもマイナスながらこの日の高値圏で終了した。

 日経平均終値は81.75円安の16654.60円、TOPIX終値は-4.72の1338.68。売買高は17億株、売買代金は1兆7092億円で今年最低記録を更新。値上がり銘柄数は773、値下がり銘柄数は1018。プラスは10業種で、上位は海運、証券、ゴム製品、銀行、石油・石炭、精密機器など。医薬品1業種がプラスマイナスゼロ。マイナスは22業種で、下位は鉱業、電気・ガス、水産・農林、小売、食料品、ガラス・土石など。上海総合指数は終盤少し上昇して0.64%高。台湾市場は20日に就任した蔡英文総統への期待で大幅高だった。

 24日の日経平均は大幅続落。ユーロ圏PMIが悪化してヨーロッパ市場は揃って下落。週明けのNYダウはほとんどの時間帯プラスだったが、結局8.01ドル安の小幅安。NASDAQもS&P500も小幅マイナスで終えた。バイエルはモンサントに買収額620億ドルを提示し、バイエルもモンサントも株価は上昇し化学セクターも連れ高。しかし原油先物価格が下落。5月のマークイット製造業PMIは50.5で4月の50.8から悪化。2009年10月以来の悪さで51.0の市場予測を裏切った。さらにサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、セントルイス連銀のブラード総裁から早期利上げに肯定的な発言が続出し市場心理を冷やした。ドル安円高が進行し朝方の為替レートはドル円が109円台前半、ユーロ円が122円台半ば。CME先物清算値は16510円。

 厚生労働省が人口動態統計を発表し、2015年の合計特殊出生率は1.46で2年ぶりに上昇したが、それがトレンドの転換点かどうかは何年か経過しないとわからない。人口減は戦後最大幅。日産<7201>が系列部品メーカー、カルソニックカンセイ<7248>の保有株(保有比率約41%)を全て売却するニュースが流れた。約1000億円の売却益を三菱自動車<7211>の買収に使うという

 日経平均は49円安の16605円で始まる。それを寄り高(寄り天)に下落し16600円を割り込む。日産もカルソニックカンセイも三菱自動車も下落で、マーケットは歓迎していない。日経平均は9時27分に16497円まで下がるが、16500円割れは数分だけ。前週もそうだったが16500円が防衛線。4月の白物家電の国内出荷額は10.7%増と好調で、12カ月連続で前年実績を上回った。冷蔵庫、洗濯機が2ケタ伸び、エアコンも3ヵ月連続プラスだった。上海市場はマイナスで始まり下げ幅を拡大する展開。日経平均は前場は16500円台の前半から半ばでアップダウンしながら、だんだん振幅が小さくなっていく分足の「三角もちあい」で、11時頃は16540円付近に収れんする。その水準での小動きのまま前引けは111円安の16543円だった。

 上海市場は下げ幅を拡大して午前の取引を終える。日経平均はほぼ前引け水準で後場の取引再開。昼休みに出た野村證券の経済見通しは、2016年のGDP成長率は+0.6%で4月の発表から0.3ポイント引き下げられた。0時台は16550円前後で安定していたが、1時台は為替のドル円が徐々に円高方向に進み、日経平均も16500円台で少しずつ値を下げる。2時直前に一時16500円を割り込んだ。上海市場はマイナスで再開。2時台は16500円台を維持していたが、終盤になると再び防衛線を割り込み2時51分に16471円の安値をつける。為替は一段の円高で上海も一段安。大引け前に上がったが終値は155円安の16498円で、16500円まで戻しきれなかった。

 日経平均終値は155.84円安の16498.76円、TOPIX終値は-12.18の1326.50。売買高は16億株、売買代金は1兆6658億円で今年の商いの「陰の極」。売買高の20億株割れは3日連続。値上がり銘柄数は529、値下がり銘柄数は1272。プラスはパルプ・紙、空運の2業種。マイナスは31業種で、その下位は保険、鉱業、非鉄金属、鉄鋼、機械、輸送用機器など。上海総合指数は0.77%安だった。