【今週の展望】上値が抑えられ、17100円あたりが限界か?

2016年05月29日 20:22

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テクニカル指標は、上値追いに否定的。オシレーター系指標は買われすぎが多く、「売買高は株価に先行する」なら下落週。消費増税先送りはすでに織り込み済みか?

 今週、5月第5週、6月第1週(5月30~31日、6月1日~3日)は5日間の取引。6月3日にはアメリカの雇用統計の発表がある。

 世界の主要株式市場の休場日は、5月30日にアメリカが「戦没者追悼記念日(メモリアル・デー)」で休場する。英国のロンドン市場もスプリング・バンクホリデーで休場する。

 国内の経済指標、イベントは、5月31日は月末恒例の政府発表の経済指標ラッシュ。焦点は有効求人倍率、失業率で、4月8日に中国政府が関税率を引き上げて日本の百貨店販売額が急減した「爆買い伝説の終わり」で、小売業に雇い止めなどの影響が出るかもしれない。爆買いに便乗しようと増産してオフサイドトラップをかけられた製造業も怖い。経済全体で言えば異常値の修正にすぎなくても、しわ寄せを真っ先に受けるのは労働市場である。6月1日の法人企業統計調査も重要。この日は通常国会の会期末なので、この日までに「消費増税先送り」に向けた何らかの動きが首相官邸周辺から出るかもしれない。

 5月30日には4月の商業動態統計速報値(小売業販売額など)、31日には4月の失業率、有効求人倍率、家計調査(二人以上世帯実質消費支出)、鉱工業生産指数、住宅着工戸数、6月1日には1~3月期の法人企業統計調査、5月の自動車販売台数、百貨店売上速報が、それぞれ発表される。

 6月1日は通常国会の会期末。2日には5月のマネタリーベース、消費動向調査、ファーストリテイリング<9983>の5月の国内ユニクロ既存店売上高、3日には4月の毎月勤労統計調査(現金給与総額など)が、それぞれ発表される。2日に野村證券が2016~17年度の企業業績見通しを発表する。

 主要銘柄の決算発表は端境期で少ない。5月30日はダイドードリンコなど。31日はトリケミカル研究所、パーク24、ACCESS、菱洋エレクトロなど。6月1日は伊藤園。2日はアルチザネットワークス、ファースト住建など。3日はモロゾフ、鳥貴族、三井ハイテック、ハイレックスコーポレーションなど。

 新規IPOは今週もなく、再開は6月15日。6月は後半だけで現在のところ13件が予定されており(TOKYO PRO上場を除く)、「梅雨時の新規IPOまつり」開催近し。個人投資家は栄養を補給できるか?

 海外の経済指標、イベントは重要なものが目白押し。5月31日はアメリカの経済指標ラッシュ。6月1日にはISM製造業景況指数、6月3日には雇用統計、ISM非製造業景況指数の発表がある。6月2日は注目ベントとしてECB理事会とOPEC総会がある。

 31日にはインドの1~3月期のGDP、ユーロ圏の4月の失業率、5月のCPI速報値、アメリカの4月の個人所得・個人支出、3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、5月のシカゴ購買部協会景気指数、CB消費者信頼感指数、ダラス連銀製造業活動指数、6月1日には中国の5月の製造業PMI、非製造業PMI(以上、国家統計局)、製造業PMI(財新)、オーストラリアの1~3月期のGDP、アメリカの5月のISM製造業景況指数、4月の建設支出、ブラジルの1~3月期GDPが、それぞれ発表される。

 6月1日にFRBの「ベージュブック(地区連銀経済報告)」が発表される。6月1~2日にクアラルンプールで「世界経済フォーラム東アジア会議」が開催される。2日にフランクフルトでECB定例理事会が開催され、ドラギ総裁が記者会見を行う。ウィーンでOPEC定例総会が開催される。

 6月2日にはアメリカの5月のADP雇用統計、3日には中国の5月の非製造業PMI(財新)、ユーロ圏の4月の小売売上高、アメリカの5月の雇用統計、4月の貿易収支、5月のISM非製造業景況指数、4月の製造業受注が、それぞれ発表される。

 6月3~5日にシンガポールでアジア安全保障会議が開かれる。6月4日にイエレンFRB議長の講演がある。

 アメリカの主要企業の決算発表はめぼしいものはない。

 前週末27日の終値は16834.84円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、25日、5日、75日の移動平均線は下にあり、上から順に16752円の25日線、16703円の5日線、16547円の75日線。200日線は17903円で1069円も上にあり、ボリンジャーバンドの25日線+3σの17902円のすぐ外、〃大気圏外〃を周回している。

 日足一目均衡表の「雲」は26日と27日の間で「ねじれ」が起き、5月27日時点では16190~16290円。27日終値は雲の上限よりも544円上にある。今週の雲は厚さが薄いものの、下限は5月30日の16078円から6月3日の16239円へ上昇を続け、上限は5月30日の16330円から6月3日の16707円へ上昇を続ける。雲は6月も、18~20日、23~24日の間で2回ねじれる。5月に続いてリオ五輪直前にひねり技を披露する。