医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」を運営するメドピアは、会員医師を対象に、「人工知能(AI)が診療に参画する時代は来るか?」についてのアンケートを実施した。
「人工知能が診療に参画する時代は来ると思うか?」の質問に対し、3,701人の医師が回答したのだが、9割の医師が「来る」と回答している。内訳として最も多かったのは「10年超20年以内に来る」(33%)であり、次いで多かった回答は「5年超10年以内に来る」(23%)だった。
「20年以内に来る」と回答した医師は計68%であり、「数値化やマニュアル化できる部分に関しては早い内に機械化ができる」、「今でも既に診断時にインターネット検索を活用している」といった声が多く、「専門性が必要で見逃しにくい希少疾患には人工知能が有用」という意見もあった。
また「参画するにもまだ20年以上先」と回答した医師は計22%であり、「患者の声や表情等の微妙なニュアンスの読み取りはプログラミングが難しいだろう」、「技術的には可能でも、間違いを起こしたときの責任の所在など、法的・倫理的な問題をクリアするのにまだ時間がかかる」という声が多かった。
「100年経っても参画する時代は来ない」と回答した医師は10%で、「補助にはなっても、医療は人対人でしか行えない部分も多く、人工知能が医師に取って代わることはない」といった声が聞かれた。
その他の特徴的なコメントとしては、「実際希少疾患については(国内初もしくは2、3例でも)自分が適切なkeywordsを入れれば、googleかPubMed searchすると診断できたケースが4つほどある。撹乱要素は、合併症があり症状が多彩すぎる時とあまりにcommonな症状が少数のとき。どこまでAIがデータを得て診断するかだが、入力情報の質が担保されているなら、5年以内に診断は十分可能なレベルになるでしょう。医師とAIは共存していくと期待したい。(50代、神経内科)」
「AEDの自動判別はすでにある機能です。耳鼻咽喉科でも耳科手術、副鼻腔手術などでは神経刺激モニタリングや手術ナビゲーションもあり自動車のように危険部位に近づけばアラームが鳴ります。(40代、耳鼻咽喉科)」
「いまでも診断学はだいぶマニュアル化していますので、機械ができる日も遠くないと思います。医師の長年のカンというのも、基本的には経験に基づいた蓄積データからの引き出しなので機械はできるようになるでしょう。しかし結果のIC(インフォームドコンセント)や治療法の選択についての話し合いはやはり人と人のコミュニケーションが必要だと思います。(40代、消化器内科)」
いかがだろう、遅かれ早かれAIが診療に参画する時代が来ることは間違いなさそうである。(編集担当:久保田雄城)