新制度が始まり、この1年で改めて、健康機能が表示されている食品に注目が集まった。特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品はもちろんのこと、それ以外でも機能性成分が付加された商品や健康文脈で個性を示すブランドが存在感を示している。
こうした背景を受け、電通<4324>のヘルスケアチームは、制度が開始されて1年が経過した現在、「機能性表示食品」や食品の健康機能に関する消費者の意識がどのように変わってきているかを把握するため、20~60代の全国の男女1,000名を対象に「機能性表示食品に関する消費者意識調査2016」を実施した。
まず、機能性表示制度/食品をどの程度知っているか、と聞いたところ、「制度の内容を知っている」(7.5%)、「ある程度、制度の内容を知っている」(26.5%)、「名称を聞いたことがある程度」(46.4%)となり、合計の認知は80.4%に上った。2015年6月調査時は77.6%、2015年9月調査時は79.1%であったため、徐々に伸びてきている様子が分かるとしている。
また、同じ回答者に、機能性表示制度とは何かを説明した上で、改めてこの制度は自分が知っていたものかどうかを聞いてみると、説明後でも79.6%が知っていたと答えたことから、ある程度内容が認知されているものと推察できるとしている。
次に、機能性表示食品を購入したことがあるかを聞いてみたところ、全体で21.6%が1年以内に購入したと回答した。男女別に見ると、女性の18.3%に比べ、男性の方が多く24.9%となった。
健康に関する効能・効果が表示されていた場合に、購入意向が高まる食品を聞いたところ、買いたくなる割合(他の商品よりもその商品を必ず買う/どうせ買うならそのような表示のある食品を選ぶの合計)は、ヨーグルト・ヨーグルト飲料・乳酸菌飲料が最も高く、51.5%。次いで食用油(46.2%)、お茶(46.1%)と続いた。トクホも含め、コミュニケーション活動が活発な製品群への期待が高い傾向が垣間見られるとしている。
「スーパーフード」という名称の認知は、全体でも5割を超え、女性で6割、男性で4割となっている。特に女性20代での認知が高い。「スーパーフード」の中で、3カ月以内に摂取したことがある食品は、「アサイー」「ココナッツオイル」がトップ2。以下僅差で「チアシード」「えごまオイル」と続く。女性20~30代が取り入れている割合が高く、約2割がアサイー、ココナッツオイル、チアシードを3ヵ月以内に食べたことがあると答えている。
食事の仕方という視点では、「ベジタブルファースト」を4人に1人(25.3%)が実践。特に女性の割合が高く、どの世代でも3人に1人が実践しており、最もメジャーな食事法として確立していることが分かる。女性20代では、ファスティング(断食)の実践意向も14%に上る。
また、「グルテンフリー」(グルテンを使わない食事療法)は、実践割合は2.1%と低いものの、その認知度は30%を超えている。
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食品で摂るとしたら、どんな効能・効果に興味があるか、選択肢を提示の上で聞いたところ、男女ともに脂肪系(体脂肪・内臓脂肪・中性脂肪・皮下脂肪)が上位にランクインした。(編集担当:慶尾六郎)