公開質問に官房副長官「回答の用意ない」

2016年06月30日 20:44

 荻生田光一内閣官房副長官は30日の記者会見で、民進党の岡田克也代表が安倍晋三総理(自民党総裁)に党首討論を求め出した『公開質問状』に対し「そのような用意をする準備はないと承知している」と国民が最も明確に知りたい項目にもなっている(1)経済(2)社会保障(3)憲法(4)政治とカネの4つの重点項目に答える用意がないと受け取れる姿勢を示した。

 今回の参院選は安倍総理が「衆院を解散しない代わりに国民に信を問う」と語ったうえで、選挙戦に入っており「国民に信を問う」なら、争点になっている問題への公開質問には公開で答えるべきで、回答が回避されれば、安倍総理・与党の姿勢が問われそう。

 この日の会見で荻生田官房副長官は「(岡田代表から)要望が出されていることは承知している」としたうえで「すでに選挙戦が始まっているし、候補者を擁立しているのは民進党だけではないわけなので、今まで、様々な機会を通じて、通常の選挙戦期間中に行うべき党首討論の形で、各党みなさんとの意見交換はしてきた」と強調。

 そのうえで「野党第1党とはいえ、共産党とともに統一候補を擁立しているという実態もあるわけで、民進党の代表とだけ党首討論を行うというのは不公平になると思うので、そのような用意をする準備はないと承知している」と記者団の質問に答えた。

 岡田代表は公開質問で「社会保障の充実の何を実施し、何を実施しないのか、明確にしていないことは問題であり、低年金者への年額最大6万円の上乗せ給付金や低所得高齢者の介護保険料の軽減は実施するのかしないのか、実施するなら財源をどう確保するのか、明確に説明を」

 「安倍総裁は日本国憲法の平和主義とは単に侵略戦争をしないことだと述べているが、総裁の考えに沿って憲法9条を改正し、国際標準の集団的自衛権を認めれば、国際社会が侵略戦争とみなしていない9.11後のアフガニスタン戦争やイラク戦争に自衛隊が参加し、米軍とともに武力行使することも可能になるというのが当然の帰結だが、総裁の見解を伺いたい」

 「甘利明前経済財政担当大臣(TPP担当前大臣)と舛添要一東京都前知事の政治資金をめぐる問題は、国民の政治不信を一層増すこととなったが、二人とも説明責任を果たしていない。閣僚や知事を辞任しても、国民・都民に対する説明責任は免れない。甘利前大臣は安倍内閣の重要閣僚であり、舛添前知事は与党が主導し誕生させた。安倍総裁は二人が説明を尽くすよう、今後どのように指導力を発揮しようとしているのか」などの点で、総理(自民党総裁)の考えを質問していた。安倍総理の回答が待たれる。(編集担当:森高龍二)