家飲み意識調査でわかった「家飲み増加傾向」と「家計不安」

2016年07月30日 20:34

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アサヒグループホールディングスの生活者未来研究部門が実施した「家飲み」に関する意識調査。結果、家飲みナンバーワン・アイテムは「缶ビール」

 アサヒビールなどを統括するアサヒグループホールディングス(HD)の生活者未来研究部門は、「家飲み」に関する意識調査を実施。その結果から、以下のの傾向があると発表した。

 家計不安が解消されず、家飲み頻度が高まる傾向にあり、8割近くが「週2日以上は家飲み」しているという。「週4日以上」家飲みする人は、昨年よりも5%も高い54.7%となった。1カ月間の家飲み代の相場は「5000円未満」であり年代が上がると出費がかさむ傾向を示す。家飲みでは「缶ビール・発泡酒・新ジャンル」の支持率が高く、平日は「ノンアルビール」という声もあった。夏場はシュワシュワな喉越しの“泡系”「缶チューハイ」「ハイボール」なども好まれる。

 「家飲み」頻度で「ほぼ毎日」と回答した人が最も多く38.3%だった。さらに「週2~3回」(21.6%)、「週4~5回」(16.4%)が続き、全体の8割近くが「週2回以上の家飲み」を楽しんでいる。性別で「週4回以上」という声を見てみると、女性回答では47.7%でした。その一方、男性回答では女性よりも13%以上も高い61.1%となり、男性の家飲み頻度の高さがみえる。

 この7年間の「家飲み」頻度の推移を見ると、「週4回以上」が、東日本大震災が発生した2011年で54.9%、消費税8%が導入された2014年で56.1%と他の年に比べて高い数値を示している。当たり前だが、財布の紐の引き締め意識が高まると「家飲み」頻度が高まるわけだ。今年は前年に比べて5%も高い54.7%となり、消費増税が先送りされたとはいえ、家計不安が一向に解消させていないことがわかる。

 1カ月間の家飲み代(酒の購入代金)についての設問では、「2000~3000円未満」と回答した人が最も多く13.3%。次に「1000~2000円未満」(13.2%)、「1000円未満」(13.2%)、「4000~5000円未満」(12.5%)と続き、全体の6割以上が、1カ月間の家飲み代「5000円未満」であることがわかった。ビールなら350ml缶の約1箱(24缶)、発泡酒なら500ml缶の約1箱にほぼ相当する金額だ。晩酌が日課なら1日約1本程度の消費量と言えそう。外飲みと比べると、かなり家計に優しい飲み方といえる。

 が、しかし、「1万円以上」という声も16.3%に達する。「3,000円未満」と回答した人は20(20代/52.0%)や30代に多かった。が、「1万円以上」(60代/22.0%)という声は40代以上に目立ち、年代が上がるにつれて1カ月間の家飲み代が増す傾向にある。

 家でよく飲むお酒で、人気ナンバーワンは「缶ビール」(71.4%)。「外食の時は、見たことのないお酒をチャレンジする事が多いですが、家飲みでは缶ビールが主」(女性40代/静岡県)など、安心して飲める「缶ビール」が大定番となっている。自由回答の中には「外飲みでは生ビールがメイン」」(男性50代/大阪府)、「外では瓶ビールを飲みますが、家では重たいので缶オンリー」(女性30代/千葉県)など、家飲みは「缶」、外飲みは「生」「瓶」という声が多く、同じビールでもスタイルに違いが見られる。

 2位は「缶の発泡酒 ・新ジャンル」(53.8%)でした。日ごろは経済面から「発泡酒・新ジャンル」を主流としながらも、特別な日や週末などには「ビール」を飲むという人も少なくないようだ。さらに「翌日仕事の時はノンアルコールビールで、翌日休みのときは発泡酒が多い」(男性40代、福岡県)など、10位に「ノンアルコールビール」(9.0%)が挙がっている。

 「ビール」「ビールテイスト飲料」系以外で、人気の高かったのは3位の「缶チューハイ・サワー」(45.2%)。「とりあえず缶ビール・発泡酒」で喉を潤した後は「缶チューハイ」へ移行するという声も。さらに「8位に「ハイボール(ウイスキー+炭酸)」(12.2%)、9位にも「手作りチューハイ・サワー」(9.1 %)が続く。口中をさっぱりとさせる爽やかな後味の良さなど、ビールと同じく「炭酸系アルコール飲料」の人気の高さがうかがえる。また「缶チューハイ・サワー」系は、男性支持率36.6%に比べ、女性が54.8%と、圧倒的に女性支持が目立った。以下、炭酸系以外では4位に「ワイン」(36.0%)、5位に「焼酎」(28.4%)、6位に「日本酒」(22.2%)が続く。

 毎年実施している調査だが、今年の対象は、全国の20歳以上の男女2854人(有効回答数、男性1493人、女性1361人)だった。調査方法は2016年6月29日~7月5日、同社インターネットで行った。(編集担当:吉田恒)