直線基調のシャープでボクシーなスタイルが特徴の4代目カローラ。写真はスポーツモデルのレビンと同じ電子制御燃料噴射装置を得たDOHCエンジン「2T-GEU」搭載のカローラ・セダン1600GT。黒いウレタンバンパーが当時のトヨタ車の定番だった
この夏、日本初のヘリテージ・カーのイベント「第1回AUTOMOBILE COUNCIL 2016」が、千葉・幕張メッセで開催された。このイベントに出展したトヨタは、1966年にデビューした同社の「カローラ生誕50年」を同社ヘリテージとしてフィーチャーし、「COROLLA 50」を訴求した。ブースにはカローラの歴史でエポックメイクな歴代モデルを展示。そのなかから注目モデルをピックアップ、カローラの歴史を見つめる。
1979年3月にカローラはモデルチェンジを受け4代目にスイッチした。2代目カローラ(TE27型)にDOHCエンジン「2T-G」を搭載したカローラ・レビン&スプリンター・トレノは1974年に登場した3代目カローラにも継承した。しかしながら、キャブレター仕様の2T-Gエンジンは、昭和50年排気ガス規制をクリアできずに、1975年に生産中止となる。
その後、トヨタは2T-Gエンジンに電子制御燃料噴射装置「EFI」と酸化触媒を組みあわせて昭和51年規制をクリアさせ、1977年にレビン&トレノが復活。
そのキャブからEFIに換装した新しいエンジンは「2T-GEU」は、4代目カローラ「TE71型」のメインエンジンともいえるラインアップを形成する。TE71型カローラ&スプリンターのボディは、2ドアハードトップ、3ドアリフトバック、3ドアクーペ、そして4ドアセダンで、そのすべてのボディにDOHCエンジンである「2T-GEU」を搭載。最高出力115ps/6000rpmを誇るエンジンを搭載した最上位スポーツグレードとしてカローラ軍団を牽引した。ただ、“レビン”を名乗ったのは3ドアクーペだけで、他のボディは単に「GT」と呼称していた。
今回、「AUTOMOBILE COUNCIL 2016」にトヨタが持ち込んだカローラは、1979年に登場した、その4代目カローラ・セダン1600GTである。3代目カローラの面影を完全に捨て去った直線基調のシャープで、ボクシーなスタイルが特徴で、シリーズ初となる4灯式ヘッドランプなどの採用で高級感をも追及していた。このカローラ・セダンは後輪駆動方式(FRレイアウト)を採用した最後のカローラ&スプリンター・セダンだ。それ故、FRカローラ・セダン1600GTを、今なお探し続けるマニアックなファンも多い。
発売当時のボディ寸法は現在の水準からみると極めてコンパクトな全長×全幅×全高4225×1610×1385mm、ホイールベースは2400mmで、セダンの重量はわずか955kgだった。この最後のFRカローラ・セダンGTは、コンパクトで軽量ながら高いボディ剛性と、強力なエンジンを活かして国内ラリーを席捲した。(編集担当:吉田恒)