原発への懸念「払拭できてない」総理も認識

2016年12月09日 19:14

安倍晋三総理は9日の原子力防災会議であいさつし「東京電力福島第一原発事故から5年半以上が経過した今もなお、原子力の利用に対する国民の懸念は払拭できていない」と語り、懸念を有する国民の多いことへの認識を示した。

 安倍総理は、そのうえで「原発に対する国民の懸念が払拭されていない現状を謙虚に受け止め、政府として、原子力の重要性、その安全対策、原子力災害対策について、国民の理解が得られるよう丁寧に説明していく」と改めて、理解を得られるよう説明を丁寧にしていくとするとともに「国民の皆様の様々な声に耳を傾け、政府の取り組みに適切に反映していきたい」と語った。

 また、玄海地域での緊急時対応について「地域原子力防災協議会が『具体的かつ合理的である』と確認したとの報告を受け、了承した」と語り「玄海地域については原発からおおむね5キロメートルから30キロメートル圏内に多くの離島が含まれている。万一の原子力災害時には佐賀県、長崎県、福岡県を始め関係自治体間で緊密に連携していただきたい」と要請した。

 そして、「国は確認した内容を出発点に関係自治体や事業者と一層緊密に連携し、実動部隊を含めた実際の訓練を通じ、緊急時対応を継続的に検証、改善していく」と語った。

 一方で「原子力規制委員会が科学的・技術的に審査し、新規制基準に適合すると認めた原発はその判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるというのが、政府の一貫した方針だ」とした。(編集担当:森高龍二)