少子化により縮小傾向にある玩具市場。新たな顧客を獲得したい各メーカーは、こぞって「イケメンキャラクター」が登場するゲームの開発に着手しているという。近年、イケメンキャラクターをメインとするアニメやゲームの人気が高まっており、各玩具メーカーはカードやゲーム、関連グッズの販売、さらにコンサートやミュージカルといったイベントの開催など、戦略を多角的に展開し、数多くの「大人の女性」のハートを鷲掴みにしているのだ。
昨秋、バンダイ<7832>が発表した「ドリフェス!」は、ゲームに登場するキャラクターの枠を越え、実際のキャストと連動した「2.5次元アイドル」としてCDリリースやイベント、グッズなどを今後展開していく予定だ。
また、サンリオ<8136>では、バンドキャラクター「シンガンクリムゾンズ」が人気を博しており、2015年のサンリオキャラクター大賞では中間発表で1位、最終結果ではポムポムプリンにわずか35票及ばす2位に終わったが、270,802票もの票を得て、あのハローキティやシナモロールに圧勝した。
人気の理由は、魅力的なゲームやアニメが増えたこと以外に、働く女性の増加に伴い、「女性の購買力」が高まっていることも要因の1つであると考えられる。厚生労働省が発表した「平成26年版働く女性の実情」によると、女性の労働人口は2,824万人と、前年に比べて20万人増加した。女性の労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口の割合)も前年を上回り、49.2%を記録。
保育園や託児所、ベビーシッターなどに子どもを預けて働く共働き夫婦も増え、働く女性の人口と労働率は増加の一途を辿っている。兼業主婦の購買力も侮れない。こうした背景があり、家事代行サービスの需要も拡大しているという。
さらに、これからますます晩婚化が進み、経済的に自立した独身・未婚女性が増えるとの見方もある。イケメンキャラクターとの「疑似恋愛」を楽しむ女性もいるのだという。
女性の為の求人・転職サイト「とらばーゆ」の調べによると、86%の女性が趣味を持っているという結果が出た。旅行やスポーツ、音楽鑑賞、読書、料理、漫画・アニメなどが挙がっている。玩具市場に限らず、大人の女性をターゲットとした商品やサービスが今後も増えていくであろう。(編集担当:久保田雄城)