矢野経済研究所では、国内のパチンコホール経営企業・店舗の調査を実施した。
2016年12月末のパチンコホール経営企業数は3,421社であったが、これまで一貫して企業数の減少が続いている。2008年以降2012年までは比較的減少幅が小さくなっていたものの、2013年以降は再び100社以上の企業減少が進んでいる。2015年末から2016年末までの一年間で151企業が減少しているが、例年と変わらず、主に1店舗経営などの小規模なパチンコホール経営企業の撤退や倒産が原因となっている。
また、資本や経営者などで関連する企業ごとに企業のグループ化を行うと、パチンコホール経営企業は2016年末で2,610のグループに集約できる。企業グループ数は、2015年末から 11グループ減少した。
2016年12月末時点で、全国で営業しているパチンコ店は10,678店舗であった。この5年間では実に1,087店舗が減少している。警察庁発表数値(営業許可証ベース)によると、1990年代前半には約18,000店舗程度が存在していたため、過去20年程度で約7,000店舗程度が姿を消している。2010年までの年間数百店舗の減少と比較すれば店舗数の増減は落ち着いているが、2013年以降は再び店舗数減少が進み、2016年は315店舗が市場から姿を消している。
2016年12月末時点での遊技機設置台数は約450万台であり、2015年12月末比で1.4%減、約6万台の減少と微減レベルであるものの、経営企業数、店舗数と同様に遊技機台数も減少した。遊技機種別では、引き続きパチスロ機での増加傾向が続いている。2016年12月末のパチスロ機の設置台数は2012年12月末比で10.1%増であり、2015年末と比べても約2万台が増加している。パチスロ機の増加傾向は落ち着いてきたが、2016年も引き続きパチスロ機は増加している。一方で、パチンコ機は減少傾向にあり、2012年末と比べて約15万台も減少している。2016年も引き続き「パチンコ減、パチスロ増」のトレンドが表れたが、パチスロ機の増加がほぼ止まったことで、今後は遊技機全体の設置台数は顕著に減少していくと考えられるとしている。
2016年の新規出店数は、2015年から50店舗減の171店舗であった。この数年間の新規出店数は、微減または横這いが続いていたが、2016年は遂に年間 200 店舗を下回る結果になった。東日本は東京都、埼玉県に出店が集中しており、西日本は大阪府、兵庫県に出店が集中している。なお、新規出店数の6割以上が中大型店(遊技機設置台数400台以上)であり、2016年12月末現在の全国一店舗当たりの平均設置台数421.8台を上回る規模での出店が主流である。つまり、人口が集中する都市部にある程度の規模で出店すると言うのがセオリーとなっていると考えるとしている。(編集担当:慶尾六郎)。