人権侵害と監視社会に道開く危険な法案と警鐘

2017年03月22日 07:26

 社民党は政府がテロ等準備罪創設へ21日、法案を閣議決定したことを受け「事実上の共謀罪を創設するものだ」とし「(過去3回廃案となった共謀罪と)多少装いを変えても、捜査当局による乱用の恐れは拭えない」と法案の危険性を指摘。

 社民党は「市民活動や思想・信条の自由を脅かしかねない『共謀罪』法案の危険な本質は何ら消されるものではない」として、廃案を勝ち取るために断固闘うとの談話を発表した。

 談話では「安倍首相はテロ対策として法案を成立させなければ東京五輪・パラリンピックを開けないとまで断言したが、当初の法案条文にはテロリズムの文言も定義もまったくなかった」と本質にかかわる問題を指摘。

 そのうえで「野党や世論の批判を受けて『組織的犯罪集団』の前に『テロリズム集団その他の』との文言をわざわざ加える修正がなされたが、いかにも取って付けた弥縫策で『その他』が付けば、取締り対象は際限なく広がる」と治安維持法につながる性質を帯びることに言及。

 また「277の適用対象犯罪も、政府が分類した『テロの実行』に関するものは約4割にとどまり、一般市民が処罰対象になりかねない罪名も数多く含まれ、看過できない」としている。

 社民党は「テロ等準備罪とは名ばかりで、テロに対する国民の不安を悪用し、共謀罪の内実を隠す姑息極まる印象操作、世論誘導に他ならない」と指摘するとともに「準備行為も犯罪行為と関係するか否かは捜査当局の恣意的判断次第で、その規定が全く歯止めにならない恐れが強い」とこともあげ「人権侵害と監視社会に道を開く危険な法案』だと警告した。(編集担当:森高龍二)