日本弁護士連合会(中本和洋会長)は30日までに「1年未満保存の行政文書が行政文書ファイル管理簿への登録の例外とされ、行政文書の作成・保存・廃棄の状況を記録する仕組がない」現況について「少なくとも1年未満保存の行政文書を指定する定義と要件を明確にすること。これにより、公文書の安易な廃棄を防止し、電子情報も含めた公文書管理を徹底することを求める」との会長声明を出した。
陸上自衛隊の南スーダンPKO派遣部隊の日報問題や学校法人「森友学園」への国有地売却経緯に関する書類が、いずれも保存期間1年未満であることを理由に『廃棄した』と政府側が説明し、経緯検証を難しいものにしている。
声明は最大の問題点は(1)1年未満保存の行政文書の該当性を判断するのが行政機関自身であること。(2)1年未満保存の行政文書の定義や要件が曖昧ということにあると指摘。
日弁連は「こうした問題点がある結果、公文書管理法の趣旨を潜脱する運用・廃棄を認める結果になっている」と指摘し「行政機関による恣意的な運用・廃棄がされないよう、少なくとも1年未満保存の行政文書を指定する定義及び要件を明確にする必要がある」と求めている。
また「電子情報を公文書として保管することの重要性の位置づけが明確にされていないことが問題。秘密保護法との関係について考えると、特定秘密の指定解除後の公文書保存が適正になされるかも危惧される」と警鐘を鳴らしている。政府が謙虚に受け止め、早期に対応することが望まれる。(編集担当:森高龍二)