新たなミニブログサービス「マストドン」が急激にユーザー数を増やしている。マストドンは中央集権型のSNSの蔓延に一石を投じるべく、ドイツに住む24歳のエンジニアによって開発された。同サービスの公開は昨年10月だが、特に日本での人気が高く、上位2位までのインスタンス(分散型の運営サーバー)は日本のものだ。
第一四半期決算では月間アクティブユーザー数が前年同期比6%増となり市場の好感を得たTwitterだが、広告収入が伸び悩むなど依然として経営面での不安定要素が残っている。また、運営方針をめぐってユーザーからの不評の意見が出るなど同社が苦戦を強いられる一方、ミニブログの機能自体は情報インフラとしてますます重要な位置づけとなってきている。とりわけ日本においてはTwitter人気が高く、同サービスの行方に注目が集まっている。こうしたなか、新たなミニブログサービス「マストドン」が急激にユーザー数を増やしている。
マストドンは中央集権型のSNSの蔓延に一石を投じるべく、ドイツに住む24歳のエンジニアによって開発された。同サービスの公開は昨年10月だが、特に日本での人気が高く、上位2位までのインスタンス(分散型の運営サーバー)は日本のものだ。
マストドンの特徴は、オープンソース・分散型で誰でもインスタンスが立ち上げられる点。TwitterやFacebookが運営会社の一存でタイムラインの表示アルゴリズムを変更するのに対して、同サービスではそれぞれのインスタンスの運営方針は管理者に委ねられるため、ユーザーは納得のいく運営方針のインスタンスを選んで参加することができる。ユーザーは興味があり信用できるインスタンスに登録し、そこでつぶやきの投稿(トゥート)や閲覧を行う。タイムラインは広告の表示も、閲覧履歴のトラッキングも行わず、時系列でトゥートを表示する。登録したものとは別のインスタンスのユーザーもリモートフォロー可能となっている。インスタンスによっては悪意のあるものが紛れ込む可能性もあるし、悪質な投稿内容も検閲されることなく流れてくることもあるが、ユーザー自身がインスタンスを選択し、発言や意見の閲覧に関して裁量を持つことができる。
4月22日現在のインスタンス数は1200、ユーザー数の合計は42万人にのぼる。ユーザー数の1位は日本人の個人が運営する「mstdn.jp」で84264人、2位がピクシブの運営する「pawoo.net」で76533人、3位には開発者オイゲン・ロッコ氏の運営する「mastodon.social」で51527人となっている。まだまだTwitterやFacebookのユーザー数とは比較にならないが、4月に入って3週間ほどでユーザーが約20倍に急増していることから勢いをうかがわせる。また、分散型SNSの理念は多くのユーザーから共感を得ており同サービスの成長がどこまで続くのか注目していきたい。(編集担当:久保田雄城)