AIやロボットの進出で貧富の差が拡大 ブルームバーグが算出

2017年05月19日 07:40

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米国では裕福な層と貧しい層との格差拡大が加速している。ブルームバーグが米国勢調査局のデータ用いて算出したところ、全米で年収上位20%と下位20%の家計差は2010年から15年の間に2万9200ドル(約325万円)拡大し、18万9600ドルとなった。要因として、AI(人工知能)やロボットの発展により、専門知識を持った人の生産性の向上がある。

 米国では裕福な層と貧しい層との格差拡大が加速している。ブルームバーグが米国勢調査局のデータ用いて算出したところ、全米で年収上位20%と下位20%の家計差は2010年から15年の間に2万9200ドル(約325万円)拡大し、18万9600ドルとなった。要因として、AI(人工知能)やロボットの発展により、専門知識を持った人の生産性の向上がある。一方でそれ以外の人では仕事が取って替わられているという。

 プライスウォーターハウスクーパースによれば、米国の仕事の約38%は30年代前半までに自動化される可能性が高く、小売りや卸売り、運輸・倉庫、製造などに従事する労働者は今後、特に厳しい状況が進むとのこと。マッキンゼーからも将来的に自動化の可能性がある職業についての研究結果を公表されており、賃金が支払われている職業の45%が現在すでに実証されている技術により、自動化することが可能であるとのこと。さらには既存の職業の60%は「30%以上の確率で仕事を自動化できる」という。具体的な職業での自動化の確率も算出されており、たとえば全米で37万人が従事する「包装・袋詰め機械のオペレーター」では、将来的な自動化の確率は100%となっている。

 一方でマッキンゼーによれば、こうした自動化が即大量失業につながるわけではなく、完全に自動化されるリスクにさらされているのは全職業のわずか5%にとどまるとしている。55年までに業務の半分が自動化される可能性があり完全自動化の割合はわずかとなる。実際人々は、テクノロジーが自分たちの仕事に与える影響について楽観視する傾向があり、アクセンチュアによれば、今後5年間におけるテクノロジーが与える仕事への影響について、87%の人がラ楽観視していた。同社によれば、自動化による生産性の向上から恩恵を受けるには、社会的・感情的知能といった人間の能力に依存する業務遂行技能を磨くことが重要とのことで、こうした技能を訓練して向上させることで、自動化の波によるリスクは最小限にとどめられるだろう。(編集担当:久保田雄城)