10年で保留110件、19取下げ、2不認可に

2017年08月12日 07:49

 学校法人「加計学園」の国家戦略特区による獣医学部新設をめぐり、文部科学省「大学設置・学校法人審議会」が9日の会合で、判断を保留する方針を決めたとする報道を受け、民進党の加計疑惑調査チームは10日の会合で、過去に判断が保留された案件がどれくらいあり、結果どうなったのかを質した。

 文部科学省は過去10年で保留となった件数は110件。このうち89件は最終的に認可され、19件は申請取下げ、2件は不認可になったとした。民進党は不認可となった2件について理由を求めたが、答えられなかったため、改めて回答するよう求めた。

 また、今回、保留となった理由に、教育内容などの一部に不十分な点があったためとみられるとの報道があったことを踏まえ、調査チームは、ライフサイエンス研究ができる設備やカリキュラム、教授陣など教育の質が担保されるのか判断するに当たって、どのような資料が提出されているのかを示すよう求めた。設置審は2か月後をめどに改めて判断する模様。臨時国会召集後の判断になりそう。

 また、この日の調査チーム会合では、2015年4月2日に愛媛県と今治市の職員が協議のために総理官邸を訪ねた際、官邸で応対したのは当時総理秘書官をしていた柳瀬唯夫経産審議官だったと報道されていることを受け、出席議員からは、報道が事実なら柳瀬氏は国会で虚偽答弁した可能性があるとの指摘もあった。この点でも、事実関係の確認が求められている。柳瀬審議官は衆院の閉会中審査で野党議員の質問に「私の記憶を辿る限り(今治市側と)会っていないと思う」とする答弁を繰り返していた。(編集担当:森高龍二)