電気事業連合会の勝野哲会長(中部電力社長)は政府の総合資源エネルギー調査会・基本政策分科会でエネルギー基本計画の議論が始まったことを踏まえ、17日までの記者会見で、原発については「足元の再稼働のみならず、中長期的には新増設・リプレイスが自ずと必要になると考えている」と原発推進姿勢を強く打ち出した。
原発の再稼働加速化や原発のリプレイス・新設については日本経済団体連合会の榊原定征会長も同様の発言をし、政府への働きかけを強めているもよう。
こうした発言はチェルノブイリ原発事故や東電福島第一原発事故を踏まえた「脱原発」、「原発ゼロ社会」への方向ではなく、安倍政権の下で、原発ありきの既定路線の方向へ舵取りを強めていることを改めて浮き彫りにしている。
勝野会長は「資源の乏しい我が国の実情を踏まえた現実的な議論を(エネルギー基本計画見直しでは)行っていただくとともに、引き続き、特定の電源に偏らない供給構造を目指すことが重要だと考えている」と強調した。
また「資源に乏しい我が国においては3Eのバランスに優れる原発の果たす役割は大変大きく、安全の確保、技術・人材基盤を維持する観点からも、将来に亘って原発を一定規模確保することが必要」とアピールした。電気事業連合会は北海道電力から沖縄電力まで全国の電気事業者10社で構成。沖縄を除く9社が原発事業者だ。(編集担当:森高龍二)