大腸がん検診 認識進むものの受診している人は少ない

2017年09月23日 10:15

画・大腸か_ん検診 認識進むものの受診している人は少ない

大腸がんの早期発見早期治療に役立つのが大腸がん検診だ。しかし、検診の存在を知っていても、実際に受診する人は少ないのが現状となっている。大腸がんはステージが進むほど完治が難しくなるため、定期的な受診が望ましい。

 私たち、人間には2mほどの消化器官である大腸がある。盲腸、結腸、直腸と大まかに3つに分けられるが、この大腸に起きるがんのことを「大腸がん」と呼んでいる。大腸の粘膜にポリープが発生、一部ががん化して次第に大きくなっていく。この大腸がんの初期には殆ど自覚症状が無く、ある程度進行してから血便、下血、便秘と下痢の繰り返し、便が細くなる、貧血、食欲低下、体重減少などの症状が出てくる。

 どのがんでも早期発見早期治療が大切だが、特に大腸がんの場合は遅れてしまうことが多いのだ。そこで、大腸がん検診を受診しておくと早期発見・早期治療に役立つ。大腸がんは遺伝が大きく関わっているため、特に大腸がんにかかった家族が見られる人は積極的に受診したいところだ。

 NPO法人ブレイブサークル運営委員会は5月に大腸がん検診対象世代である40代~60代の全国の男女14,046人を対象とし、大腸がん検診に関する意識調査を実施したところ、

 6割の人が大腸がん検診について認識しているものの、実際に毎年受診する人は4割にとどまるという結果が出た。「便を提出しないといけないから」、「自覚症状が無いから」、「費用が掛かるから」という理由で受診しない方が多く見られる。

 日本では年間約47,000人も大腸がんで亡くなっていると言われており、特に女性の場合では乳がんで亡くなる方より大腸がんで亡くなる方が多い状況だ。大腸がんは決して珍しい病気では無いのだ。

 大腸がんは0期、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期と進行するごとにステージが変わっていくが、自覚症状に乏しいため、なるべく大腸がん検診を受診しておきたいところだ。Ⅰ期の1年生存率は100%だが、Ⅳ期の1年生存率は69.9%ほどと言われており、大幅に低くなってしまう。2年後、3年後と歳を追うごとに生存率はさらに低くなる。初期のステージなら9割以上は完治すると言われているが、ステージが進むほど命の危険が増していく。

 会社勤務の方だと健康診断で大腸がん検診が受けられることがあるが、その他の人は自分で行動を起こすことが必要だ。大腸がん検診が面倒だと感じる方は「自分のため」ではなく、「家族のため」だと思えば行動を起こしやすいだろう。(編集担当:久保田雄城)