東京商工リサーチは先月10日、「全国企業倒産状況(2017年度上半期[4-9月])」を公表した。これによれば2017年度上半期(4-9月)の倒産件数は4220件で16年同期と比べ0.09%の増加となった。倒産件数の増加は9年ぶりになる。負債総額は2兆1173億円で219.65%の大幅な増加になった。これはタカタ(東京都/自動車部品製造)の1兆5,024億円で民事再生したものが70.9%を占めたからである。このタカタ株の倒産は製造業で戦後最大の倒産となった。
倒産内容についてみると、形態別では法的倒産の構成比91.6%、年度上半期としては過去最高となった。原因別では「販売不振」が年度上半期では8年ぶりの増加であった。資本金別の件数では1億円以上が年度上半期では9年ぶりの増加。負債額別の件数では10億円以上の大型倒産が、年度上半期では9年ぶりの増加となった。従業員数別件数では5人未満の構成比が73.9%、年度上半期では過去20年間で最高である。従業員被害者数は年度上半期では9年ぶりの増加、「人手不足」関連倒産が年度上半期では142件発生し、「求人難」型が16件(前年同期7件)と倍増した。中小企業倒産件数(中小企業基本法の区分)が年度上半期としては9年ぶりに前年同期を上回っている。
産業別に倒産件数をみると、10産業のうち6産業で前年同期を下回っている。飲食業などを含むサービス業他の倒産件数は1,225件で前年同期比10.1%増加であった。サービス業が前年同期を上回ったのは年度上半期としては2年連続である。内訳をみると、酒場,ビヤホール、広告業、持ち帰り飲食サービス業などで増加が目立った。また、ソフトウェア業を中心とした情報通信業の倒産件数が175件で前年同期比10.7%増加となった。年度上半期としては2009年度上半期以来8年ぶりに増加に転じた。
一方、建設業は795件で同1.3%減少、年度上半期としては2009年度以来、9年連続で前年同期を下回っている。製造業は541件で同7.3%減少し、これは8年連続の減少。卸売業は623件で同4.8%減少。小売業の547件、同6.0%減少。卸売、小売ともに5年連続の減少である。不動産業は137件、同2.1%減少となり3年連続で減少した。地区別でみると関東と近畿が年度上半期では8年ぶりに増加した。(編集担当:久保田雄城)