学校法人加計学園が運営する岡山理科大に獣医学部を設置することに認可をした大学設置審の文部科学大臣への答申に対し、加計ありきで官邸から働きかけがあったのではと安倍晋三総理を議長とする国家戦略特区の認可疑惑を追求している社会民主党の又市征治幹事長は10日、「今回の獣医学部新設には多くの疑念や課題があることから、大臣は答申通りにただちに認可すべきではない」とする談話を発表した。
又市幹事長は「安倍首相が『お友だち』のために国家戦略特区という枠組みを利用して優遇した『加計学園ありき』との疑念は払拭できていない」と指摘。多くの国民が今回の談話には意を同じくしていそうだ。
また談話では「すでに加計学園は認可を前提に来年度入学の学生募集を開始しているが、定員140人のうち、20人を外国人留学生枠で募集している」とし「その大半は韓国からの留学生であるという問題も浮上している」と提起。
「四国の獣医師不足の解消が国家戦略特区による規制緩和の目的に挙げられてきたにもかかわらず、獣医学部の受験生を韓国で積極的に募っているのはつじつまが合わない」と新たな問題をあげた。
また「開学に伴うバイオセキュリティの面での危険性や建築費水増しによる補助金詐欺疑惑も浮上しているが、全く議論されていない」とし「社民党は内閣委員会や文部科学委員会など関係委員会を開催するとともに、加計孝太郎理事長、国家戦略特区担当だった山本幸三前地方創生担当相、松野博一前文科相ら関係者の参考人招致を求める。安倍首相自身が『丁寧に説明していく』と宣言した以上、論戦に堂々と受けて立ち説明責任を果たすよう強く求めていく」と国会での論戦に応じるよう求めている。
又市幹事長は「大学設置審から、獣医師の需要の問題のほか、学生の実習計画の不十分さや教員の年齢・人数などでも課題があるなど、数多くの是正意見や改善意見が出され、計画の抜本的な見直しが必要な警告対象にまでなっていたなど、加計学園側の当初計画に多くの疑問が示されていたことも新たに明らかになった。さらに答申でも、140人という最大規模の定員となるのを受け、定員の厳格な管理や実習の充実、高齢の教員が比較的多いことを踏まえ将来を見据えた組織編成、今治市が支給する補助金の報告など8つの留意事項も付されている」こともあげた。(編集担当:森高龍二)