大都市と原発へのミサイル被弾リスクに回答なし

2017年11月20日 06:25

 小野寺五典防衛大臣は記者会見で米軍が北朝鮮に先制攻撃を行った場合、自衛隊は後方支援などを行い、参戦することになるのか。その場合、日本に対して攻撃を加えると北朝鮮が警告しているが、大都市と原発へのミサイル被弾リスクや被害想定、避難計画など、具体的に政府として真剣に想定し、備えているのか、と記者団が質したのに「米国がどのような意図をもって対応するかは分からないが、どの国も自国防衛のための対応をすると思うし、日本も同じことをすると思う」と答えるのみで、記者団の具体的問いへの回答はなかった。

 小野寺大臣は「日本においての攻撃が弾道ミサイルで行われる場合、ミサイル防衛システムも持っており、それでしっかり対応する。(北朝鮮問題は)私どもは外交努力で解決するのが基本と思っており、米・トランプ大統領もその基本は同じと思っている」とした。

 ただ、安倍晋三総理は「今は北朝鮮への圧力を一層強化していく」と国会での所信表明演説でも強調。トランプ大統領が軍事力を含む「全ての選択肢がテーブルの上にある」としていることにも「支持する」と発言してきたことから、北朝鮮は日米一体として敵視している。

 安倍総理が所信表明も含め、あらゆる機会に一貫して「圧力強化」を語ることから、自民党の二階俊博幹事長は民放ラジオで「追い込み過ぎれば、爆発するのは決まっている。総理も慎重にやるだろうが、是非、注意してやってもらいたい」と過度な圧力がリスクを高めることに注意すべきとの認識を示した。野党ばかりでなく、与党幹部からも懸念の声が出ていることになる。(編集担当:森高龍二)