加計で「指示・働きかけ一度もない」総理答弁

2017年11月23日 06:24

 安倍晋三総理は21日の衆院本会議での日本共産党の志位和夫委員長の加計学園への獣医学部新設に関する国家戦略特区での認定を巡る問いに「私が具体的指示をしたり、働きかけをしたことは一度もない」と改めて関与を全面否定した。

 安倍総理は加計疑惑への関与を否定したうえで「岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めるよう常々支持してきた。こうした方針により、担当大臣のリーダーシップの下、節目節目で関係大臣の間に異論がないことを確認し、合意のうえで適正に進められてきたものと承知している」と答えた。

 ただ、文科省と内閣府との間で『総理のご意向』などの記載文書が文科省内で見つかっていることから、獣医学部新設に文科省側に異論があり、内閣府側から強い働きかけのあったことが『官邸の最高レベルが言っている』などの文言からもうかがい知れる。

 志位委員長は「学校法人加計学園理事長の親友である総理の関与によって(学園が運営する岡山理科大学への)獣医学部新設に特別の便宜が図られたのではないかというところに、疑惑の核心がある」と指摘。

 そのうえで「国家戦略特区に認定される過程で『総理のご意向』などと記載された文書が文科省内で交わされ、圧力として働いたことはまぎれもない事実」と述べ「総理が自らの関与をあくまで否定するなら、総理の名をかたって関与した人物が別にいるということになる。その人物を明らかにし、断固とした処置をとる意思はあるか」と質した。

 安倍総理は「特区認定のプロセスや特区の民間有識者も『一点のくもりもない』と述べており、関係者の処分ということには当たらない」と検証する考えがないことを明らかにした。

 安倍総理は加計学園の加計孝太郎理事長の国会招致に対しては「国会でお決めになることだ」と回答を避けた。(編集担当:森高龍二)