ディスコは、2019年3月卒業予定の大学生1232人を対象に、11月中旬時点での「就活2019 学生モニター調査 」の結果を公表。
19年卒業予定の学生の就職戦線の見込みは「楽になる」と期待している者が4年ぶりに50%を超え改善傾向で、「オリンピックまでは大丈夫」と五輪までは売手市場が持続すると期待している傾向が見られる。
アンケート結果の内訳を見ると「非常に楽になる」が0.8%、「やや楽になる」が49.6%で、両者を合わせた「楽になる」は50.4%と過半数を超えた。「楽になる」が65.8%だった15年卒者(13年調査)にはおよばないものの、16年の12.2%、17年の33.7%、18年の27.4%に比べ、大幅な改善傾向を示している。
「楽になる」と考えている理由は、「インターンシップ等の活動が盛んになっており、求人が増加しているのを体感したから」、「本年の内定率が高く、人手不足感が持続すると期待されるから」、「五輪までは景気後退の危険性は少なく採用抑制は起こらない」などである。逆に約過半数の49.6%いる「厳しくなる」と考える学生からは銀行業界のリストラや大手企業の相次ぐ不祥事などで採用が抑制されるリスクが指摘されている。
11月後半時点での志望業界の決定状況について尋ねたところ、「明確に決まっている」が20.4%、「なんとなく決まっている」が55.2%、「決まっていない」が24.4%で、全体としては昨年調査と構成比に違いはない。文系男女、理系男女で内訳を見ると、「明確に決まっている」の比率が文系(男子19.1%、女子14.4%)に比べ理系(男28.5%、女23.1%)の方が多くなっている。
志望業種については、5つまで志望業種を選択してもらった結果、全体で「銀行」18.9%が1位、文系男女(男31.3%、女26.4%)で「銀行」が一位、理系では男子が「IT関連」26.3%、女子が「医薬・医療等」39.0%が1位となっている。
全体および文系男女で1位の「銀行」は低金利下の収益減でリストラ、採用抑制が予定されている。また、賃金統計、雇用統計をみると業種によって業績に大きなバラツキが見られる。「楽になる/厳しくなる」が約半々なのは、労働市場の先行きが全体として不透明というより、志望業界によって「楽になる/厳しくなる」の判断がバラついているとも考えられる。そう言う意味で、現在日本は産業構造の急激な変化の中にあり、学生の就職戦線も志望業界によって大きく勝敗が分かれる現況であると言えよう。(編集担当:久保田雄城)