有給休暇の取得率、日本2年連続で最下位

2017年12月20日 06:54

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日本の有給休暇の取得率が2年連続で最下位となった。職場環境などの関係から有給休暇が取得しづらいというケースも少なくない。こうした企業風土を正し、より多様な働き方を認めることが取得率向上の第一歩である。

 世界30カ国の中で、日本の有給休暇取得率が2年連続で最下位になったことがわかった。日本政府が掲げる「働き方改革」を受けて多くの企業が対応に乗り出しているものの、その実態は決して芳しいものではないことが浮き彫りとなった結果である。この調査では、世界30カ国の18歳以上の男女およそ15000人を対象として実施された。このうち、日本の有給休暇取得率は50%という数字であり、100%だったブラジルやフランスに比べると半分という結果となった。

 この有給休暇取得率とは逆に1位となったランキングがある。それが、「有給休暇を取得することに罪悪感を感じる割合」だ。日本は調査対象の63%が有給休暇取得に対する罪悪感を感じると回答しており、10%だったスペインやメキシコとは大きく異なる結果となっている。こうした有給休暇を取得することに対する罪悪感が、有給休暇取得率が低いことの大きな要因となっているといえるだろう。有給休暇を取得しづらい環境であることや、上司の理解が得られないといった職場環境が日本の企業にはまだまだ根強いといえるのかもしれない。

 なぜ日本人は休みを取らないのか。この答えとなるのは仕事に対して真面目な人が多いという日本人の特徴が考えられる。仮に休んでいたとしても、常に仕事のことは頭から離れないという人も多いのではないだろうか。また、IT技術の進歩でスマホなどに休日中でも仕事の情報が入ってくることから、仕事をしていたほうがマシだと考える人もいるかもしれない。日本人は「働きすぎ」だという風潮はもう20年以上前から言われ続けてきたことだが、それでも尚有給休暇取得率が上昇に転じる気配はない。

 日本政府も、こうした有給休暇の取得率が低いことを問題視しており、取得率については70%以上を目標として掲げている。「働き方改革」を政府が推進することによって有給休暇の取得率が向上することも目的のひとつなっている。しかし現実はなかなか厳しいようだ。有給休暇の取得率が向上させることを考えるならば、まずは日本の企業内で常識となっている長時間労働の風潮を改善することが急務である。長い時間働くこと、休まずに仕事をすることが美徳であり当然だというのではなく、より多様な働き方を認めるということも大切なことである。こうした部分を政府主導で推進していくことこそが「働き方改革」であり、その先に有給休暇取得率の向上もつながっていくのではないだろうか。(編集担当:久保田雄城)