2018年に入ってからも日本産業の現況は、生産・売上が拡大するなか、労働者の不足超過状況が続いているようだ。
3月27日、厚生労働省は「労働経済動向調査(平成30年2月)の概況」を公表した。この調査は、労働経済の変化や問題点を把握するため、2月、5月、8月及び11月の四半期ごとに実施しているものだ。
「増加」と回答した事業所の割合から「減少」と回答した事業所の割合を差し引いた値であるD.I.を見ると、生産・売上額等判断D.I.の18年1~3月期の実績見込は、調査産業計が7ポイントで全体として増加傾向にある。業種別には、建設業が4ポイント、製造業7ポイン ト、卸売業・小売業4ポイント、医療・福祉8ポイント、サービス業0ポイントとなっており、サービス業を除き全ての業種で増加傾向である。
同じく4~6月期の見込みD.Iも調査産業計で5ポイントと増加が見込まれており、建設業で3ポイント、製造業が9、 卸売業・小売業で9、医療・福祉がマイナス1、サービス業が7で、医療・福祉を除く全ての業種で増加が見込まれている。
所定外労働時間判断D.I.の18年1~3月期実績見込を見ると、調査産業計4ポイント、建設業が5、製造業で4、卸売業・小売業が0、医療・福祉が0、サービス業はマイナス6となっており、全体として人手不足の状況をうかがわせる。
18年2月1日現在の正社員の過不足判断D.I.をみると、調査産業計で44ポイントと27期連続して不足超過となった。全ての産業で不足超過となっているが、建設業で56ポイント、運輸業・郵便業が53ポイント、情報通信業で52ポイント、学術研究・専門・技術サービス業が51で高い値となり人手不足を感じている事業所の割合が多くなっている。
パートタイムの不足判断D.I.では、産業計で32ポイントと34期連続して不足超過となっており、全ての産業で不足超過となっているが、特に宿泊業・飲食サービス業で64ポイント、生活関連サービス業・娯楽業が54ポイント、サービス業で50ポイントが高くなっている。
2月1日現在の未充足求人がある事業所の割合は産業計で58%にのぼり、業種別には宿泊業,・飲食サービス業で75%、医療・福祉72%、サービス業68%、運輸業・郵便業62%で60%を超え高い値となっている。欠員率は調査産業計で3.5%となっている。(編集担当:久保田雄城)