自立する自動二輪車概念検証実験試作車、ヤマハ「MOTOROiD」初公開

2018年05月24日 06:15

Yamaha MOTOROiD

“AMCES”を中心としたまったく新しいレイアウトと機能を備えた自立する自動二輪車概念検証実験車両、ヤマハ「MOTOROiD」

 ヤマハ発動機が、5月23日にパシフィコ横浜で開幕した「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」(主催・公益社団法人自動車技術会)の同社ブースで、ロボティクス技術を搭載した試作二輪モデル「MOTOROiD(モトロイド)」を初公開した。

「MOTOROiD」は、“人とマシンが共響するパーソナルモビリティ”を目指した概念検証実験EVモデル(二輪)だ。知能化と自律技術を適用した高度なバランス制御を実装、マシンが自らの状態をセンシングして重心移動によって起き上がりそのまま不倒状態を保つバイクである。

 また、ユーザーを顔認証機能で認識して歩み寄ってくるほか、ライダーアクションに呼応するような反応を見せるHMI(Human-Machine Interface)機能など、さまざまな機能を備え、まるでパートナーのように行動する二輪車だ。“移動の道具”を超えたモビリティの未来像への期待を膨らませるコンセプトモデルだ。

 「MOTOROiD」は、“AMCES(Active Mass CEnter control System)”を中心としたまったく新しいレイアウトと機能を備え、同社はこうしたチャレンジに取り組みながら、新しい価値を生み出す技術の獲得をめざす。

 搭載したAMCESとは、EV自動二輪車の車体を電子制御し、安定化させることを目指したヤマハ独自の技術。車体をアクティブ制御することで、常に車両の姿勢を最適に維持し、車両自身で不倒静止・前進することが可能だ。

 車両の姿勢制御は、AMCES軸(図参照)を回転させ重心をコントロールして行なう。重心をコントロールするために、バッテリー、リアアーム、リアホイール周りなどがAMCES軸を中心に回転する。

 AMCES軸が回転するとバッテリーは左右どちらかに振られウエイト(錘)の役割を果たしバランスをとり不倒静止状態を維持できるというわけだ。AMCES軸をもつインナーフレームユニットが電子制御で回転する仕組みとなっているのだ。(編集担当:吉田恒)