加計ファックスに文科相は事実確認もしない姿勢

2018年05月30日 06:23

 林芳正文部科学大臣は29日の記者会見で、加計学園が総理と加計学園理事長が2015年2月25日に面会していたというのは「実際にはなかった面会を引き合いに出したものだ」と面会を否定する内容のファックスを報道機関に送付したことに対し、なぜ虚偽の報告を愛媛県や今治市に行ったのか、大学が地元自治体に虚偽報告しても事実関係や再発防止のための対応を文科省は問わないとする理解できない姿勢を示した。加計問題には消極的としか映らない。

 林文科大臣は加計学園が出したコメントについて「加計学園から事前に連絡も相談も受けていない」としたうえで、「今の段階では文科省として加計学園に(このファックスについて)説明を求めることは考えていない」と、なぜか、大学が地元自治体に嘘の報告をしても真相も確認しない姿勢を示した。

 林文科大臣は「加計学園が報道機関に対して行ったことは報道を通して知っている」としたうえで「加計理事長と安倍総理の面会については事実関係を承知していないので、コメントできない」と述べた。事実関係を確認する気も示さなかった。

 また「国家戦略特区のプロセスやそれを受けての獣医学部設置認可のプロセスは適切なプロセスだったと認識している」とし「今回の対応については、いろんな方がいろんなことを言われている途中の段階と思っているので、この段階でコメントするのは難しい」と回避した。コメントは難しくとも、ファックス内容の事実関係は文科省として確認すべきだし、虚偽報告がなぜ起こったのか、問われなければ、地元大学と地元自治体との信頼関係は保てなくなる。大問題だ。(編集担当:森高龍二)