2018年度、企業の62.4%で設備投資計画。更新投資が主流

2018年06月01日 06:20

画・2018年度、企業の62.4%て_設備投資計画。更新投資か_主流。

帝国データバンクが2018年度の設備投資に関する企業の意識調査結果を発表。企業の62.4%で設備投資計画。投資内容は「設備の代替」が4割超、「省力化・合理化」28.2%、能力増強無き更新投資が主流。

 リーマンショックあるいは震災以降、日本は設備投資循環の増大期に入り、順調に景気回復の過程に入った。設備投資計画を見る限り2017年には設備投資はピークアウトするとも予測され、また一部には既にピークアウトしているという声もある。しかし、世界経済の回復を受けて設備投資の動向は堅調に推移しており、この先もしばらくは順調に増大傾向で推移する見込みだ。

 帝国データバンクが18年度の「設備投資に関する企業の意識調査」を4月下旬に実施し、その集計結果を発表した。調査結果によれば、18年度に設備投資を行う予定・計画が「ある」と回答した企業は62.4%であった。この内、「すでに実施した」が6.9%で「予定している」は35.2%、「実施を検討中」が20.3%となっている。一方、「予定していない」との回答は29.8%で3分の1以下だった。

 設備投資の予定が「ある」と回答した企業を規模別にみると、「大企業」で70.7%と7割を超えており、「中小企業」が60.3%、「小規模企業」では49.0%と規模が大きい企業ほど設備投資の予定が「ある」割合が高くなっている。

 業種別に見ると、「農・林・水産」が80.4%と8割に達し最も高く、次いで「運輸・倉庫」の78.0%、「製造」の75.0%と続く。最も低いのが「不動産」の 46.5%で最も高い「農・林・水産」と33.9 ポイン トの差が出ており、業種間でのバラツキが大きい。

 予定が「ある」と回答した企業に、設備投資の内容を複数回答で尋ねた結果、「設備の代替」が 45.4%と最も多く、次いで「既存設備の 維持・補修」が35.7%、「省力化・合理化」が28.2%、 「増産・販売力増強(国内向け)」が24.1%、「IT化関連」が23.8%という順であった。設備の老朽化にともなう更新投資が主流のようである一方、人手不足の深刻化による省力化や合理化を目的とするものも上位にあがっている。能力増強投資やIT化投資などは比較的に少数派のようだ。

 設備投資額については「1000万円以上、5000万円未満」が28.0%で最も多く、平均では1億3928万円になる。資金調達方法は「自己資金」が約半数の48.9%で最も多く、次いで「金融機関からの長期借入」が28.4%と続き、両者で77.3%を占める。

 設備投資を行わない理由では、「先行きが見通せない」が40.0%で最も多く、特に中小企業で不確実な将来に対する懸念から設備投資を見送るケースが多くなっているようだ。(編集担当:久保田雄城)