森友学園への国有地払い下げをめぐる財務省の決裁文書改ざんをはじめ、防衛省の日報問題など公文書管理を巡る問題が相次いで表面化しているなか、安倍晋三総理は5日開いた「行政文書の管理の在り方などに関する閣僚会議」で「公文書をめぐる問題で行政全体の信頼が損なわれたことは痛恨の極み」と述べ、陳謝した。
そのうえで「公文書は国民共有の知的資源である。この原点に立ち返り、危機感を持って、再発防止に全力を挙げなければならない」と指示した。
安倍総理は「公文書管理の適正を確保するために必要な見直しを、政府挙げて徹底的に実施していく」とし「自らが国民への説明責任を果たしながら我が国の歴史を紡ぐ最前線にいる、そうした立場にあることを胸に刻んで公文書管理に対するコンプライアンス意識を高める、これを徹底する」と述べた。
また野田聖子総務大臣ら関係閣僚に対し(1)実効性のある取り組みの推進(2)行政文書をより体系的、効率的に管理するための電子的な行政文書管理の充実(3)決裁文書の管理の在り方の見直し(4)電子決裁システムへの移行の加速について、早期に実施、実現するよう全力で取り組むよう指示した。
野田総務大臣は同日の記者会見で「決裁は申請の受付、意思決定、許可といった一連の業務プロセスの一部に過ぎず、やはりプロセス全体の見直しと電子化をセットで進めることこそ、迅速・正確な業務処理や行政文書の確実な保存・管理の近道ということになる」と述べ「6月末を目途に電子決裁加速化に関する方針を取りまとめる」考えを述べた。(編集担当:森高龍二)