医学部入試「社会に説明できる合理的理由」必要

2018年12月16日 10:44

 東京医科大学など一連の医学部入試の不正を受け実施していた文部科学省は緊急調査の結果と結果を踏まえた公正な入試のための指針を14日、発表した。

 合理的な理由なく性、年齢、現役・浪人の別などの属性に応じた一律の得点調整や取扱いの差異設定などは「不適正」とした。

 また合理的理由については「性別、年齢等の属性による取扱いの差異を設けるなら『募集要項等で予め説明するだけではなく、大学がその合理的な理由を、受験生や社会に対して説明できることが必要』である」としている。

 また今回の事案を踏まえて、医学部以外の学部においても「入学者選抜の公平な実施が必要」であることから、文科省は「入学者選抜における公正性を確保する必要があることは全ての学部学科に共通する要請だ」として「公正な入学者選抜の在り方について早急に検討を行うため、大学関係者や法曹関係者などで構成する検討の場を設け、医学部医学科以外の学部等における入学者選抜の状況等を把握しながら、公正な入学者選抜の在り方について議論をしてもらい、大学入学者選抜における共通ルールの改善、充実に取り組む」。

 なお、今回の緊急調査で神戸大、東京医科大、昭和大、順天堂大、北里大、岩手医科大、金沢医科大、福岡大、日本大学で不適切な入試が判明。聖マリアンナ医大で不適切な可能性が高い事例のあったことが分かった。(編集担当:森高龍二)