航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが青森県沖合に墜落した事故。日本共産党の志位和夫委員長は12日までに「原因の徹底究明」と原因解明まで「飛行停止を求める」とツイッター発信した。
今回の事故、発生当初から「パイロットが緊急脱出した形跡がない」との情報があった。なぜ脱出できなかったのか。事故原因が解明されるまでわからないことではあるが、脱出できなかった理由について、気になる質疑が今年2月15日の衆院予算委員会で宮本徹議員(日本共産党)から提起されていた。
宮本議員は米国防総省やGAO、会計検査院報告書からF35について「2017年にF35のパイロットが酸素欠乏になる重大事案が6回起きている。呼吸調節装置が頻繁に故障する」との報告を取り上げた。
そのうえで「急激なコックピット内の気圧の変化は耳や鼻が損傷し、パイロットが状況認識を失い、飛行機を墜落させる可能性がある。これについては『原因が特定されていない』と報告書には書いているが、原因は究明され、改善されたのか」と岩屋毅防衛大臣に安全性の確認を質していた。
岩屋防衛大臣は「昨年6月の米国会計検査院の報告書で、F35のパイロットが酸欠の症状を訴えた事例が発生したと指摘されている。米国防省はF35の飛行を行いつつ原因の調査を行っており、F35の導入国に対して逐次情報の提供が行われているところです。現時点で、航空自衛隊のF35Aについて改修が必要であるという情報はなく、航空自衛隊において既にF35Aを運用しているけれども、酸欠の症状を訴えたとの事例は発生しておりません」と答弁した。
この答弁に宮本議員は「いやいや『原因は究明されたのか』と聞きましたら『原因はまだ究明されなくて、各国あわせて究明中』と。まさに欠陥があって、いつ、とんでもない事態が起こるかわからないという中でF35を飛ばし続けている。更に爆買いしようとするという話じゃないですか」と追及。日本は米国からF35Aを105機、F35Bを42機購入する計画を決めている。
宮本議員は「検査院の報告では2018年1月時点では未解決の欠陥が966件あったと書いてある。防衛省はこのF35の欠陥、966件のリストの詳細というのはお持ちなのか。追加取得を決めるに当たって、966件はどこまで解決したと把握されているのでしょうか」と質問。
岩屋防衛大臣は「F35のA型(通常の離着陸機)、B型(短距離離陸・垂直着陸機)、C型(海軍が運用する艦上機タイプ。空母への離着艦が可能な戦闘機)全ての型式全体で966件あるという記述が確かにある。防衛省としては、リストは保有していない。これらの課題について確認したところ、我が国が導入するF35Aの機体については、運用能力や飛行の安全性等に影響を及ぼすような課題はないということが判明しております」と『課題がないことが判明している』と断言した。
岩屋防衛大臣は宮本議員の再度の質問にも「我が国が導入しているF35Aの機体につきましては『運用の安全性に影響を及ぼすような課題がないということを確認している』わけでございます」と再度答えた。今回の事故原因次第では岩屋防衛大臣の責任が問われることになりそうだ。(編集担当:森高龍二)