日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会がまとめた「高血圧治療ガイドライン2019」によると、日本には、何と国民の3分の1にあたる約4300万人もの高血圧患者がいるという。
もちろん、ひと口に高血圧患者といっても、その症状の重さも様々だ。実際4300万人もの患者が見込まれているにもかかわらず、その内のおよそ1400万人の人は自分が高血圧である自覚もなく過ごしているという。
また、中には健康診断などで「血圧が高め」と指摘されても、そのまま放置してしまっている人も多いようだ。高血圧の初期は自覚症状にも乏しいこともあって、仕事の忙しさなどを理由に、安易に治療を後回しにしてしてしまうケースが多いらしい。
しかし、当然のことながら、それで良いはずはない。高血圧を放置しておくと、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中、腎不全などの重篤な合併症のリスクが高まってしまうからだ。高血圧は別名「サイレントキラー(静かなる殺人者)」と呼ばれているのは、それだけ自覚症状に乏しいということでもある。放っておけば、ある日とつぜん生命を脅かす 事態にもなりかねない。
とくに注意したいのが、秋から冬。一日の気温や気候の変動が激しい時期だ。血圧は一般的に気温が上昇すると下がり、気温が低下すると上昇する傾向にあるといわれているが、最近は異常気象も手伝って、一日の内でも寒暖差の激しい日が多くみられるため、今まで以上に注意する必要がある。
そこで今、注目されているのが高血圧を対象とした機能性表示食品の活用だ。病院で受診したり、通院するのは気が引けるという人や自覚のないような人、仕事が忙しいというような人でも、機能性表示食品を上手に利用すれば、普段の生活リズムを大きく変えることなく、高血圧の予防や改善を図ることが可能だ。
例えば、最新の機能性表示食品のトレンドでは、はちみつとりんごを用いた「バーモント健康法」をヒントに開発された「はちみつバーモントドリンク」というものがある。これは山田養蜂場が上質な完熟はちみつを微生物のチカラで発酵させた、同社独自の「はちみつ酢」に10%のリンゴ果汁を混ぜ合わせたもの。はちみつ酢を用いたお酢ドリンクで機能性表示食品として発売されているのは、世界でも、この「はちみつバーモントドリンク」だけだという。同社では以前より、このドリンクを販売していたが、 これに含まれる「酢酸」の「高めの血圧を下げる機能について」の届出が受理されたことにより、機能性表示食品としてリニューアル販売されることとなった。1日2本飲むことで、 酢酸 750mg を摂取することができるとのことなので、 血圧の高さが気になる人はもちろん、今後の高血圧の予防としても手軽に始められるのではないだろうか。
また、カルピスも長年の「カルピス酸乳」の研究から発見した「ラクトトリペプチド」(VPP,IPP)を配合した機能性表示食品「ラクトウェル」を販売している。これは、末梢血管の抵抗が高くなると血圧の上昇が見られる点に着目し、ラクトトリペプチドにその抵抗を下げる働きがあることから、これを粒状のサプリメントとして開発されたものだ。もともと、日本初の乳酸菌飲料として知られるカルピスの源流はモンゴルの遊牧民たちが飲む酸っぱい乳「酸乳」。モンゴルの人たちが逞しく、長寿なのもこの酸乳やラクトトリペプチドに秘密があるのかもしれない。
他にも、伊藤園〈2593〉からは、血圧を下げる機能があることが報告されているGABAを1本あたり50mg使用した トマトジュース「健康体GABAトマト」など、サプリメント以外にも取り入れやすいものがいくつか現われはじめている。
自分の身体は、自分自身でしか守れない。何かあってから病院に駆け込んでも、その時はもう、取り返しのつかない状態になってしまっていることも考えられる。そんなことにならないためにも、最新の機能性表示食品などを上手に取り入れて、いつまでも健康に暮らしたいものだ。(編集担当:藤原伊織)