パプアニューギニアLNGプロジェクトと同国油・ガス田権益を丸紅取得

2011年11月15日 11:00

 丸紅は、JX日鉱日石開発株式会社(以下、「JX開発」)が同社子会社を通じ99%超を保有する米国Merlin Petroleum(以下、「マーリン社」)の株式21%を取得。マーリン社はパプアニューギニア国内に探鉱鉱区を含む複数の油・ガス田権益並びにこれら鉱区にて産出されるガスを利用した同国初のLNGプロジェクトの権益を保有しており、丸紅はマーリン社を通じこれらの権益を取得することになる。

 この株式取得資金の一部は先般、財務省より発表された「円高対応緊急ファシリティ」を利用した国際協力銀行(JBIC)の融資により賄われ、また、同取得株式には日本貿易保険(NEXI)の海外投資保険が付保される。

 同LNGプロジェクトは、パプアニューギニア独立国 中央部のサザンハイランズ州およびウエスタン州に位置する油・ガス田から生産される天然ガスを、全長750キロメートル超のパイプラインで首都ポートモレスビー近郊まで輸送し、現在建設中のLNGプラントで液化し輸出するもの。2014年から生産が予定される年間660万トンのLNGについては、東京電力、大阪ガスといった日本の電力ガス会社の他、中国、台湾向けに20年間に亘る長期販売契約が締結。同国初のLNGプロジェクトであり、国家プロジェクトとして同国の全面的サポートの下、現在建設が進められている。

 近年、天然資源が豊富で且つ地理的にアジア各国へのアクセスが容易なパプアニューギニアは、日本を中心にアジア各国のLNG需要が高まる中で、エネルギー資源の供給源としての重要性を増している。丸紅は、同国にて20年以上に亘り原油の探鉱開発に従事し実績が豊富なJX開発と協力し、同国におけるビジネス拡大を推進して行くと共に、両社はその他地域での資源開発においても協力関係を構築していく方針だ。