AI計算基盤を国内へ 政府、次世代AIデータセンター立地を後押し

2026年07月23日 07:10

データセンターイメージ

政府は21日に閣議決定した「規制改革実施計画」で、次世代AIデータセンターの国内立地を後押しするため、リチウムイオン蓄電池に関する消防・建築法令の規制見直しを進める方針を示した。

今回のニュースのポイント

政府は「規制改革実施計画」で、次世代AIデータセンターの国内立地を加速する方針を示しました。AI開発に必要な計算量や消費電力が増加する中、大容量のリチウムイオン蓄電池に関する消防・建築法令の規制見直しなどを進め、国内におけるAI計算基盤の整備を後押しする狙いです。

本文
 政府は2026年7月21日に閣議決定した「規制改革実施計画」において、次世代AIデータセンターの国内立地を加速する方針を打ち出しました。新しいAI技術の登場に伴い、AI開発やデータ処理に必要な計算力や消費電力は急速に増加しています。高度なAIモデルの開発や利活用を支える計算基盤の重要性が高まる中、国内における立地環境整備が課題となっています。

 次世代AIデータセンターは、膨大なAI計算を高速かつ安定的に処理するため、高密度なサーバー群や大容量の電源設備を備えた施設です。AIの高度化に伴い必要とされる計算量が大幅に増大しており、大規模な電力を安全かつ安定的に給電・蓄電する仕組みが不可欠となります。このため、施設内に設置される大容量のリチウムイオン蓄電池などの設備が重要な役割を担います。

 政府が国内立地を後押しする背景には、AI開発に必要な計算基盤を国内に整備し、増大する計算需要に対応する狙いがあります。今回の計画では、リチウムイオン蓄電池に関する日本独自の試験基準について、国際基準と同等の手順や合格基準を策定する方針が盛り込まれました。あわせて、消防法上の安全性が確認された場合に建築基準法上の数量制限の適用除外とする検討や、近年の技術動向を踏まえて水消火設備を導入するとともに、導入時における排煙設備の要否を検討するなど、安全性を確保しながら規制を見直すとしています。

 一方で、国内立地の推進に向けた課題も存在します。データセンターの稼働に必要な電力供給体制の確保や冷却技術の導入に加え、大容量蓄電池の安全性を客観的に検証する仕組みの構築が求められます。また、既存の国内規制から国際基準に即した運用への円滑な移行や、設備設置に関する手続の明確化も重要な議論となります。

 生成AIをはじめとする技術開発が進む中、計算インフラの国内整備は今後のAI開発や利活用の基盤に直結します。安全性の確保と規制改革を両立させながら、国内の立地環境を具体的に整備できるかが今後の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)