今回のニュースのポイント
働きながら家族を介護する「ワーキングケアラー」は就業者の6.5%に上り、介護による孤独や経済的不安を抱える一方で、仕事への意欲や昇進意向は決して低くありませんでした。少子高齢化と人手不足が進む中、企業には介護離職を防ぐだけでなく、キャリア形成を支える職場づくりが求められています。
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マイナビが2026年4月に発表した「ワーキングケアラーの実態に関する調査」によると、20~60代の就業者のうち、家族や親族の介護や看護をしながら仕事をする「ワーキングケアラー」の割合は6.5%となりました。介護は高齢期特有の課題と捉えられがちですが、年代別で見ると「60代」が8.3%で最多となった一方、「20代」も7.5%と次いで高い割合を示しています。介護を行う就業者は特定の年代に限られるものではなく、若手からシニア層まで幅広い世代が直面する身近な課題となっている実態が示されています。
介護を担う生活は、時間の制約だけでなく精神面や経済面にも影響を及ぼしています。同調査によると、私生活において「孤独や孤立を感じている」と回答した介護実施者の割合は35.2%となり、非介護実施者の21.9%を13.3ポイント上回りました。孤独や孤立を感じる具体的な理由としては、「金銭面での不安があるため」(30.3%)が最も高く、次いで「生きがいを感じられないため」(26.2%)、「相談できる人がいないため」(24.9%)が挙げられています。ワーキングケアラーが抱える負担は、単なる身体的な労力や時間の不足にとどまらず、経済的な悩みや相談相手の欠如といった複合的な要因が関係していることが分かります。
一方で、介護と仕事を両立する就業者の意識においては、仕事やキャリア形成に対する意欲の高さが見られます。「介護を担うとキャリアを抑制せざるを得ない」という見方もある中で、同調査では介護実施者の48.8%が「昇進したい」と回答しており、非介護実施者の36.0%を12.8ポイント上回る結果となりました。昇進を希望する理由としては「給与を上げるため」(58.7%)が最多となったものの、非介護実施者に比べて低い傾向が見られました。一方で、「責任の大きな仕事にチャレンジしたい」(33.4%、非介護実施者との差プラス20.1ポイント)や「自分の能力を活かすため」(同プラス12.5ポイント)といった回答が非介護実施者より高い傾向が見られ、単なる収入増加にとどまらない成長意欲や自身のキャリア追求といった内発的な動機を持っていることが分かります。
こうしたワーキングケアラーの意欲を生かし、継続して活躍してもらうために、企業側の取り組みが重要となります。介護実施者が企業に求める施策や支援としては、「ベース賃金のアップ」(26.4%)が最も高く、次いで「福利厚生の充実」(23.6%)、「有給休暇の取りやすい雰囲気づくり」(22.1%)が上位に並びました。この結果から、企業に求められているのは介護休業制度などの制度面だけではなく、賃金面での対応や休暇を取得しやすい職場環境づくりといった、日常の働きやすさや処遇全体の改善であることが示されています。
日本の労働現場においては、これまで子育て支援や女性活躍の推進が人材確保の重要なテーマとして取り組まれてきました。しかし、少子高齢化が進み人手不足が一段と深刻化する中、今後は「仕事と介護の両立支援」も重要な経営課題として位置付けられていくと考えられます。厚生労働省の人口動態統計(概数)によると2025年の合計特殊出生率は1.14と過去最低を更新し、将来的に介護負担を担う世代の増加が見込まれています。企業にとって、業務意欲を持つ人材が介護を理由に離職したりキャリアを停滞させたりすることは大きな損失となります。ワーキングケアラーを単に配慮すべき対象として捉えるのではなく、その意欲や能力を活かせるよう、賃金水準の向上や柔軟に働ける環境づくりを進めることが、今後の人材確保や人材定着を支える重要な経営課題となっていきそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













