今回のニュースのポイント
総務省が31日に発表した調査結果によると、令和7年度のふるさと納税受入額は1兆3,314億円となり、過去最高を更新しました。一方で、返礼品調達費やポータルサイト利用料などの募集費用が寄附総額の約48%を占め、自治体が実際に活用できる財源は約52%にとどまる実態も示されました。こうした状況を受け、総務省は令和8年度税制改正において、自治体に残る寄附金の割合を段階的に60%以上へ引き上げる方針を打ち出しています。
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総務省は31日、全国の地方自治体を対象とした「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」を公表しました。令和7年度の受入額実績は全国合計で1兆3,314億円(前年度比約587億円増)に達し、制度開始以来の過去最高を更新しました。寄附件数も5,963万件(同約84万件増)と過去最多を記録し、制度の利用拡大が続いています。
寄附額が拡大する一方で、集まった資金のすべてが自治体の財源として活用できているわけではありません。発表資料によると、令和7年度に集まった1兆3,314億円のうち、募集にかかった費用の合計は6,382億円で、受入額全体の47.9%に上りました。費用の主な内訳は、返礼品の調達費用が3,528億円(受入額の26.5%)、送付・広報・決済費用が1,045億円(同7.9%)、事務に係る費用等が1,809億円(同13.6%)となっています。返礼品調達に加え、ポータルサイトへの利用料や配送費などがかさむことで、自治体の手元に純粋な財源として残る「寄附金活用可能額」は6,932億円(全体の52.1%)にとどまっています。
こうした経費の高止まりを受け、総務省は令和8年度税制改正において、寄附金のうち自治体が活用できる財源の割合を「60%以上」とする目標を設定しました。自治体側の急激な負担増に配慮し、令和8年の指定から段階的に引き上げる計画です。具体的には、令和8年度指定で52.5%、令和9年度指定で55.0%、令和10年度指定で57.5%とし、令和11年度指定以降で60.0%以上を目指すスケジュールが示されています。
これまでのふるさと納税は、ポータルサイトを通じたポイント還元や魅力的な返礼品のPRなど、寄附額を集めるための獲得競争が過熱する傾向がありました。今回の基準改正により、今後は返礼品調達費や広告費、事務委託費など募集経費全体の見直しが求められることになります。募集コストを抑えながら寄附金をより多く地域振興や公共サービスへ充てられる仕組みづくりへと、各自治体の対応が変化していく見通しです。
受入額が1兆3,000億円を超える巨大な市場へと成長した一方、集まった資金の約48%が募集経費として充てられている課題が浮き彫りとなる中、自治体が自由に活用できる割合を60%以上へ引き上げる段階的な見直しが進められます。集めた金額の多さだけでなく、寄附金をいかに効率よく地域のために活用できるかが今後の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













