住友金属鉱山は、12インチ(300mm)の貼り合わせSiC基板「SiCkrest」の開発に成功し、半導体メーカーへのサンプル出荷を実施した。貼り合わせ方式による12インチSiC基板として世界初(同社調べ)としており、従来の6インチ、8インチから大口径化した。(画像はイメージ)
今回のニュースのポイント
住友金属鉱山は9月18日、12インチ(300mm)の貼り合わせシリコンカーバイド(SiC)基板「SiCkrest(サイクレスト)」の開発に成功し、半導体メーカーへのサンプル出荷を行ったと発表しました。貼り合わせ方式による12インチSiC基板の開発成功は世界初(同社調べ)となります。基板口径を従来の6インチ(150mm)、8インチ(200mm)から300mmへ大型化させることで、パワー半導体市場における大口径化ニーズに対応します。
本文
住友金属鉱山は9月18日、パワー半導体の主要材料となるシリコンカーバイド(SiC)基板において、直径12インチ(300mm)の貼り合わせ基板「SiCkrest」の開発に成功し、すでに半導体メーカーに向けたサンプル出荷を実施したと発表しました。
本件における「世界初」の範囲について、同社は公式リリースにおいて「貼り合わせ方式による12インチのSiC基板として世界初(住友金属鉱山調べ)」と定義づけています。単一の結晶体や他の製法による基板全体を指すものではなく、独自の接合技術を用いた貼り合わせ構造における300mm化の達成を示しています。
基板の構造としては、低抵抗の多結晶SiC支持基板の上に、高品質な単結晶層を薄く貼り合わせる2層化構造を採用しています。住友金属鉱山によると、これにより単結晶の特性を維持しながら、基板全体の低抵抗化と通電劣化の抑制を実現したとしています。
今回の開発において視覚的にも際立つのが、基板の大口径化をめぐる進展です。発表資料では、従来の6インチ(150mm)、8インチ(200mm)と並び、今回開発された12インチ(300mm)のSiCkrestが示されています。同社によると、SiC基板の大口径化は、製造コストの低減や生産効率の向上につながるものとして注目されています。
パワー半導体市場では、電力変換効率の向上や装置の小型化に対する要求を背景に、SiCパワー半導体の採用が拡大していると同社は説明しています。ただし、今回の発表は半導体デバイスそのものの量産やコスト低下の実績値を発表したものではありません。同社が示したのは、半導体製造の上流に位置する基板材料における技術的成果となります。
また、事業ステータスに関しても慎重な確認が必要です。同社が公表した段階は「技術開発の成功」と「半導体メーカーへのサンプル出荷」です。実際の量産開始時期や生産能力、製品価格、採用決定などは公表されておらず、今後の動向が注視されます。
住友金属鉱山は今後、原料から基板製造に至る一貫生産体制を活かし、SiCkrestの用途開発や供給体制の拡充を進めるとしています。なお、本基板は2026年9月27日から10月2日までパシフィコ横浜で開催される国際会議「ICSCRM 2026(International Conference on Silicon Carbide and Related Materials 2026)」の同社ブースで展示される予定です。今回明らかになったのは開発成功とサンプル出荷までであり、12インチ基板が実際の半導体製造工程でどこまで採用されるかが次の確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













