NTTドコモビジネス、GPUを1GPUから提供 AI処理からデータ保管まで国内完結

2026年09月17日 12:39

データセンター回廊イメージ

AI・GPUクラウド基盤を表すイメージ。NTTドコモビジネスは、高性能GPUを1GPU単位から利用できる「GPUaaS」を2026年9月30日から提供する。閉域網や国内クラウド基盤などと組み合わせ、AI処理から業務システム連携、データ保管まで国内で完結できるとしている(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

NTTドコモビジネスは9月17日、高性能GPUリソースとAI開発環境を統合したクラウドサービス「GPUaaS」を9月30日から提供開始すると発表しました。企業は自らGPUを調達・資産保有することなく1GPU単位から利用可能で、小規模なPoC(概念実証)から顧客専有環境への拡張に対応します。同社は自社の閉域網や国内クラウド基盤と組み合わせることで、AI処理、業務システム連携、データ保管までを日本国内で完結でき、自国・地域の法制度や自社方針に基づく「ソブリンAI」の実現を支援するとしています。

本文
 NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)は2026年9月17日、高性能なGPUリソースとAI開発環境を統合した新たなGPUクラウドサービス「GPUaaS」を同年9月30日より提供開始すると発表しました。

 本サービスの最大の特徴は、自社でGPUサーバーなどの機器を直接調達・所有することなく、クラウドサービスとして「1GPU単位」から利用できる提供形態にあります。同社によると、企業は小規模や短期間のPoC(概念実証)からAI開発・検証を開始できるほか、本格運用へ移行する際には顧客専有のGPU環境へ拡張することが可能です。また、マルチテナントのGPUaaSと個社専有GPU環境を組み合わせたハイブリッド構成にも対応し、付属の「AI/GPUコントローラー」を通じて双方のリソースや開発環境を一元的に統合管理できる仕組みを用意しています。同社は、初期投資を抑えてAI開発を開始でき、本格利用時には専有環境へ拡張することでGPUコストの最適化を可能にするとしています。

 単なる計算資源の貸し出しにとどまらず、AI開発・運用の統合環境をブラウザ上で提供する点も特徴です。「AI/GPUコントローラー」を通じて、GPUの割り当てや利用状況の可視化をはじめ、「JupyterLab」や「Visual Studio Code」を用いた開発環境の提供、学習ジョブの実行・追跡、データセットやモデルの管理機能を一体化しています。同社は、AI開発企業や製造業、創薬関連企業、大学・研究機関のほか、自社専用のPrivate AI環境を構築したい企業などの利用を想定しています。

 さらに、各種サービスを組み合わせることでデータ流通やインフラの「国内完結」を実現する構成も提示されています。同社のネットワークサービス「docomo business RINK」などの閉域網接続に加え、法人向けクラウド「Smart Data Platform クラウド/サーバー」のコンピュート、ストレージ(Wasabi オブジェクトストレージ等)、セキュリティ等の機能を組み合わせます。これにより、AI処理から業務システム連携、データ保管までを国内で完結できるとしています。同社はこれを、データガバナンスやデータ主権に配慮した「ソブリンAI」の実現支援として位置づけています。また、離れたGPU環境間についても「docomo business APN Plus」などの大容量・低遅延ネットワークサービスで接続することで、大容量データの連携や低遅延なGPU活用に対応します。

 今回のサービス提供の背景について同社は、生成AIやAIエージェントの利用拡大に伴い高性能GPUへの需要が急増する一方、GPUの不足や価格高騰、AI開発環境の構築・運用に専門知識やコストが必要となる点を課題として挙げています。併せて、データセンターや電力リソースの制約、高性能GPUの発熱量増加といったインフラ側の課題も指摘しています。

 NTTドコモビジネスは今後、本サービスをはじめとする高性能コンピューティング環境を拡充し、ネットワークやマネージドサービスを組み合わせた独自の「AI-Centric ICTプラットフォーム」を展開する方針です。さらに、IoTやエッジなどのフィジカル領域を含めたAI活用基盤の提供も目指すとしています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)