MS&AD、第1四半期利益33.4%増の3286億円 海外利益が2倍超

2026年08月14日 15:58

今回のニュースのポイント

MS&ADインシュアランスグループホールディングスが14日発表した2027年3月期第1四半期連結決算(IFRS)は、保険収益が前年同期比14.1%増の1兆6861億8700万円、税引前四半期利益が同33.4%増の4409億2600万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同33.4%増の3286億1800万円となりました。 国内損害保険事業の利益拡大に加え、海外事業では親会社の所有者に帰属する四半期利益が前年同期比111.6%増の964億円へと拡大し、全体の業績を押し上げました。一方、国内生命保険子会社間では業績に差がみられます。2027年3月期通期の業績予想については従来計画を据え置いています。

本文
 MS&ADインシュアランスグループホールディングスが14日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)の連結決算(IFRS)は、売上高にあたる保険収益が前年同期比14.1%増の1兆6861億8700万円、税引前四半期利益が同33.4%増の4409億2600万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同33.4%増の3286億1800万円となりました。グループの収益性を示す保険サービス損益は、前年同期の1634億円から2092億円へと28.0%増加(457億円増)しました。また、金融損益も投資損益の拡大などを背景に、前年同期の1751億円から2456億円へと40.3%増加(705億円増)となり、保険本業の収益改善と金融損益の拡大がともに利益成長へ寄与する結果となりました。グループ全体の修正利益は前年同期比29.7%増の3106億円となっています。

 事業別の動向をみると、主力を担う国内損害保険事業の主要2社(三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険)の単純合算では、保険収益が前年同期比4.2%増の9332億円、保険サービス損益が同9.8%増の1306億円、金融損益が同150.6%増の2486億円となり、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同64.4%増の2752億円に達しました。特に金融損益における投資損益が前年同期の1065億円から2635億円へと大きく増加したことが利益拡大に貢献しています。保険本業の採算性を示すコンバインド・レシオ(家計地震・自賠責を除く)は、前年同期の85.5%から84.8%へと0.7ポイント改善しました。

 国内損保の個社別では、三井住友海上の親会社所有者帰属四半期利益が前年同期比62.8%増の1875億円となりました。同社の保険サービス損益は同4.6%減の725億円となったものの、金融損益が同150.6%増の1786億円へと増加し、全体を引き上げました。一方、あいおいニッセイ同和損保は親会社所有者帰属四半期利益が同68.0%増の877億円となり、保険サービス損益も同35.2%増の581億円と伸びました。あいおいニッセイ同和損保のコンバインド・レシオは前年同期の87.7%から84.2%へと3.5ポイント改善しています。

 今回の第1四半期決算において利益伸長が著しかったのが海外事業です。海外保険子会社・関連会社全体の業績(単純合算数値)は、保険収益が前年同期比31.4%増の6907億円、保険サービス損益が同70.0%増の573億円、金融損益が同102.7%増の397億円、税引前四半期利益が同105.0%増の1171億円となりました。この結果、海外事業における親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期の455億円から964億円へと111.6%増(2倍超)の大幅増益を記録しました。海外事業の修正利益も同94.5%増の1088億円へと拡大し、コンバインド・レシオも前年同期の93.6%から91.7%へと1.9ポイント改善しています。

 一方で、国内生命保険事業においては子会社間で明暗が分かれました。三井住友海上あいおい生命保険は、親会社の所有者に帰属する四半期利益が前年同期の28億円から143億円(前年同期比401.3%増)へと大幅に増加しました。これに対し、三井住友海上プライマリー生命保険は、親会社の所有者に帰属する四半期利益が前年同期の616億円から16億円へと97.3%減少しました。グループ全体の四半期利益は大幅な増益となったものの、国内生保分野では子会社ごとの業績展開に差が生じています。

 2027年3月期通期の連結業績予想について、同社は従来の公表値を変更していません。親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比16.8%減の4250億円、年間配当予想は1株あたり170円(中間85円、期末85円)をそれぞれ維持しています。第1四半期は大幅増益となったものの、同社は現時点で通期業績予想を変更していません。

 国内損害保険主要2社の利益拡大と、大幅増益となった海外事業が牽引する形で親会社所有者帰属利益が33.4%増となったMS&ADの第1四半期決算。国内生保事業での業績のばらつきや通期見通しの動向を見極めつつ、今後は海外事業の状況や自然災害・金融市況の変動が業績に与える影響が注視されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部)