銀行貸出にも「金利ある世界」じわり 残高の平均金利1.483%、5カ月連続上昇

2026年08月31日 13:01

画・雇調金申請、上場企業の2割超。計上額も急増。直近8カ月で2倍。先行き不透明で雇用維持難しく。

オフィス街。国内銀行の貸出残高に対する平均金利は、2026年7月に1.483%となり、5カ月連続で上昇した(資料写真)

今回のニュースのポイント

日本銀行が8月31日に公表した7月の「貸出約定平均金利の推移」によると、国内銀行の貸出残高に対する約定平均金利(ストック、総合)は1.483%となりました。2月の1.263%から5カ月連続で上昇し、この期間に0.220ポイント上昇しました。一方、その月に実行された新規貸出の平均金利(総合)は7月に1.706%となり、前月の1.767%から低下しました。単月の案件構成等で振れる新規貸出に対し、既存貸出を含む残高全体の平均金利が着実に上昇している実態が数値から確認できます。

本文
 日本銀行が8月31日に発表した2026年7月の「貸出約定平均金利の推移」によると、国内銀行の貸出残高ベース(ストック)における約定平均金利(総合)は1.483%となりました。前月の1.452%から0.031ポイント上昇し、2月(1.263%)から3月(1.325%)、4月(1.343%)、5月(1.359%)、6月(1.452%)を経て5カ月連続での前月比上昇となりました。2月からの5カ月間における上昇幅は累計で0.220ポイントに達しています。

 この残高ベースの金利を期間別に分解すると、1年未満の「短期」貸出の金利上昇が目立ちます。国内銀行全体の短期ストック金利は、2月の1.120%から7月には1.486%へと0.366ポイント上昇しました。一方、1年以上の「長期」ストック金利は、2月の1.190%から7月には1.397%へと0.207ポイント上昇しており、短期・長期の双方で残高ベースの金利水準が切り上がっているものの、短期の上昇幅が相対的に大きくなっています。

 一方で、当月中に実行された「新規貸出」の動きを見ると、ストックとは異なる挙動を示しています。7月の新規貸出約定平均金利(国内銀行・総合)は1.706%となり、6月の1.767%から0.061ポイント低下しました。新規貸出金利はその月に実行された貸出の平均(総合は当座貸越を除く)であるのに対し、残高ベースは月末時点で残っている既存分を含めたすべての貸出の平均であり、両者は計算対象や定義が異なるものです。新規貸出と残高ベースでは対象となる貸出が異なるため、7月は新規の総合金利が前月から低下する一方、残高ベースの総合金利は上昇するという異なる動きがみられました。

 残高ベースの総合金利を金融機関の業態別に見ると、7月時点で都市銀行が1.534%(2月:1.273%)、地方銀行が1.400%(同1.213%)、第二地方銀行が1.477%(同1.304%)、信用金庫が1.829%(同1.683%)となっています。2月比較では掲載されているすべての業態で上昇が確認されます。なお、この資料だけでは業態間の金利差が生じた要因までは分からず、貸出先や期間、商品構成などの条件をそろえた比較でもないため、金利水準の違いを単純な信用力の差などに結び付けることはできません。

 新規貸出金利が当月中に実行された貸出を対象とするのに対し、ストック金利は月末時点で残高のある貸出を対象としています。残高ベースの総合金利が2月の1.263%から7月の1.483%へ上昇していることから、金利動向を見る際には、新規貸出だけでなく、既存分を含む貸出残高全体の平均金利がどのように推移しているかも一つの材料となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)