建設技能者、4人に1人が60歳以上 29歳以下は12%、国交省・厚労省が若手確保へ支援拡充

2026年09月04日 17:52

画・人手不足、建設業で高水準ながらも減少傾向、代って情報通信で上昇傾向。

建設業の技能者は60歳以上が約4分の1を占める一方、29歳以下は約12%にとどまる。国土交通省と厚生労働省は、若者や女性の入職・定着促進に加え、処遇改善や人材育成などを一体的に進め、担い手の確保を図る(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

国土交通省と厚生労働省は、2027年度(令和9年度)予算の概算要求で、建設業の人材確保・育成に向けた連携支援策を公表しました。建設技能者のうち60歳以上が約4分の1を占める一方、29歳以下は約12%にとどまっており、両省は将来の建設業を支える担い手の確保を急務としています。若者・女性の入職促進に加え、適正な労務費・賃金の確保、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用、職場定着支援などを一体的に推進する方針です。

本文
 国土交通省と厚生労働省は、2027年度(令和9年度)予算の概算要求において、建設業の人材確保・育成に向けた施策を発表しました。背景にあるのが、建設現場を支える技能者の深刻な高齢化と若手不足です。

 両省の資料によると、建設業の技能者のうち60歳以上が全体の約4分の1を占める一方、29歳以下は全体の約12%にとどまっています。高齢技能者が一定の割合を占める一方で次世代を担う若年層が少ない年齢構成となっており、両省は将来の建設業を支える担い手の確保を急務としています。

■労務費の適正確保や供給力強化に29.8億円の内数を要求

 国土交通省は2027年度概算要求で、「国土と経済成長を支える建設産業の供給力強化等」として29.8億円の内数(前年度当初予算3.5億円の内数)を盛り込みました。

 単なる募集支援にとどまらず、改正建設業法に基づき、発注者から建設事業者、技能者まで適正な労務費や賃金を行き渡らせるための新たな商習慣の定着を図るほか、「労務費に関する基準」の実効性確保策などを実施します。さらに、新規事業としてリスキリングや処遇改善、生産性向上を組み合わせた「建設産業の供給力強化事業」も盛り込み、働き続けられる環境づくりを提示しています。

■建設助成金を73億円へ拡充、ハローワークでのマッチングも強化

 厚生労働省側も現場の採用・育成支援を強化します。中小建設事業主などを対象に雇用管理改善や人材育成の経費・賃金の一部を助成する助成金(人材確保等支援助成金など)について、2026年度当初予算の71億円から73億円へ要求額を拡大しました。

 また、医療・福祉や建設、運輸などの人材不足分野を対象としたハローワークのマッチング支援(人材確保対策コーナーでの職業相談・就職面接会など)には68億円(前年度56億円、他業種含む全体予算)を要求しています。就職希望者に対して建設キャリアアップシステム(CCUS)登録済み事業者の求人情報を提供し、応募を勧奨する取り組みも進めます。

■高校生との接点づくりから入職後の技能育成、職場定着まで

 入職前からのアプローチとして、高校生や高等専門学校の生徒・教員と建設業界をつなぐ「『つなぐ』化事業」に3300万円(同2900万円)を要求し、出前授業や現場見学会を実施します。

 入職後の技能習得においては、離転職者や新卒者を対象とした業界団体の訓練事業(4.9億円)や、ものづくりマイスターによる若手への実技指導(28億円、他業種含む)などを継続・拡充します。さらに、CCUSカード登録者の技能実習に対する賃金助成額を1.1倍とする優遇措置を2027年度末まで延長することも盛り込みました。

 離職を防ぐ定着策では、雇用管理責任者等への研修(1.1億円)において、指導側と若手が円滑にコミュニケーションを図りながら働く手法を学ぶ「コミュニケーションスキル等向上コース」を実施します。

 高齢技能者から次世代へ技能をどう引き継ぎ、若い人材が入職・定着できる環境を整えられるか。両省は、処遇改善や人材育成、就職支援、職場定着策などを組み合わせ、建設業の担い手確保を進める方針です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)