カナダのOntario Power Generation(OPG)は、Pickering原子力発電所のCANDU炉4基を対象に総費用268億加ドルの大規模改修を進める。4基合計で燃料チャンネル1,520組、ボイラー48基などを交換・更新し、30年以上の追加運転を目指す。原子炉本体の改修作業は規制当局の最終承認を前提に2027年1月から開始する予定。(画像はイメージ)
今回のニュースのポイント
カナダのオンタリオ州政府は9月21日、Ontario Power Generation(OPG)が運営するPickering(ピッカリング)原子力発電所の5~8号機(CANDU炉4基)の大規模改修プロジェクトが建設段階に入ったと発表しました。OPGが示すプロジェクト総費用は268億加ドル(約2兆8000億円)で、4基合計で燃料チャンネル1,520組、ボイラー48基などを交換・更新します。なお、現地で改修に必要な建設工事が始まった一方、原子炉本体の改修作業は規制当局の最終承認を前提に2027年1月からの開始を予定しています。
本文
カナダのオンタリオ州政府は9月21日、同州のPickering(ピッカリング)原子力発電所の5~8号機について、設備を大規模に更新する大改修プロジェクトが建設段階へ移行したと発表しました。今回の発表は既存施設の単なる継続運転手続きではなく、原子炉の核心部材から発電設備に至る重電機器・インフラを交換する大型産業プロジェクトが具体的に動き出したことを示しています。
対象となるのは同原発に設置されているカナダ型重水炉(CANDU炉)4基です。OPGが示す本プロジェクトの総費用は、金利やインフレ予測等を含む総額で268億加ドル(2024年加ドル基準)に上ります。具体的な設備更新の規模として、1基あたり燃料チャンネル380組、フィーダー管760本、ボイラー12基の交換が計画されており、4基合計では燃料チャンネル1,520組、ボイラー48基に達します。併せてタービン制御や発電機関連設備も改良されます。
改修後の発電能力について、オンタリオ州政府は4基合計で最大2,200MWを確保する計画と発表しています。一方、運営主体のOPGは本改修により約2,100MWの発電能力を30年以上にわたって確保できると説明しています。さらにOPGは、タービンや発電機の更新等を通じて各号機の出力をそれぞれ約30MW増強する計画も示しており、老朽設備の交換と同時に各号機の出力増強を図る計画です。
工程上のステータスとして、9月21日に着手されたのは改修作業に必要な現地施設の整備や主要部品の製造といった建設段階となります。原子炉本体の改修を実行する段階については、Canadian Nuclear Safety Commission(CNSC、カナダ原子力安全委員会)による最終的な承認を得ることを前提に、2027年1月からの開始が予定されています。手続きと実際の工事工程は段階を踏んで進行しています。
経済的な波及効果について、Conference Board of Canadaの分析に基づき、州政府は本改修およびその後の長期運転を通じたカナダ全体へのGDP寄与額を416億加ドルと試算しています。新規原発のゼロからの建設ではなく、既存4基の重電・原子力インフラを包括的に最新化する設備更新事業として進行しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













