ロッキード、弾薬増産へ80~90億ドル規模 全米20拠点超で生産基盤強化

2026年09月24日 08:00

製造イメージ

ロッキード・マーティンは、弾薬の生産能力拡大を支えるため、サプライチェーン強化や製造能力の拡大、新施設、先進技術などに80億~90億ドル規模の投資を進めている。全米20カ所以上の拠点を通じ、数千人規模の雇用創出にもつながるとしている。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

米防衛大手ロッキード・マーティンは9月23日、弾薬の生産能力拡大を支えるため、自社およびサプライチェーン全体に対して80億~90億ドル規模の投資を進めていることを明らかにしました。投資対象はサプライチェーンの強化、製造能力の拡大、新施設、先進技術、人材に及び、全米20カ所以上の拠点を通じて数千人規模の雇用創出につながるとしています。主要防衛装備品の複数年におよぶ増産体制を支えるため、同社は最終組立だけでなく原材料や重要部品の供給網全体で能力拡大を進めています。

本文
 米防衛大手ロッキード・マーティン(Lockheed Martin)は9月23日、弾薬の生産能力拡大と供給体制の迅速化に向け、自社事業およびサプライチェーン全体に対して80億~90億ドル規模の投資を進めていることを明らかにしました。本投資は最終組立施設の新設や能力拡張にとどまらず、原材料の調達から重要部品の供給網、先進的な製造技術の導入、全米20カ所以上の拠点における数千人規模の雇用創出まで、生産事業の全体に及んでいます。

 同社は今年、米陸軍省との間で商業契約に準じた新たな協定枠組みを活用し、地対空誘導弾PAC-3 MSE、高高度防衛ミサイル(THAAD)、精密打撃ミサイル(PrSM)、長距離空対空ミサイル(JATM)といった主要4プログラムの生産を数年にわたり拡大する計画を進めています。長期的な需要シグナルを同社とサプライヤー側に示すことで、将来の設備投資や生産能力拡大、生産加速につなげる考えです。業界全体でも生産率の安定化やリードタイム短縮に向けた枠組みの活用が広がるなか、同社は主要パートナーとの協議を通じて供給網全体の増産を進めています。

 今回の取り組みで同社が重点を置いているのは、防衛製造エコシステム全体におけるボトルネックの解消です。熱電池を供給するエナーシス(EnerSys)との協業では、今後6カ月間で熱電池の生産能力を130%以上増加させる見通しです。また、規模拡大に伴うコストをすでに21%削減したとしています。さらにキャニスター用シーラントの材料や製造工程の見直しにより硬化時間を12時間短縮するなど、部品・材料単位でのサイクルタイム短縮を推進しています。

 あわせて同社は、従来の防衛産業以外の分野から商業的な製造手法を取り込む取り組みも強化しています。GMディフェンス(GM Defense)との提携では、正式契約の締結から1カ月未満でPAC-3 MSE向けの最初の主要部品を受領したと説明しています。民間製造業の生産手法を取り入れることで製造リードタイムの短縮を図る狙いです。ロッキード・マーティンは、最終組立の増産にはサプライチェーン全体の能力拡大が必要との認識を示しています。80億~90億ドル規模の投資と供給網の強化が、今後どの程度の生産量拡大やリードタイム短縮につながるかが確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)