英プリマス、防衛産業に最大8400万ポンド 海洋自律技術で約1000人雇用へ

2026年09月24日 08:16

イギリス防衛イメージ

英国政府は、イングランド南西部プリマスの防衛産業と地域経済の強化に向け、最大8400万ポンド規模の投資パッケージを発表。政府資金5000万ポンドを基礎に、海洋自律技術を核とした企業集積や人材育成を進め、約1000人の雇用創出を見込む。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

英国防省は9月23日、イングランド南西部プリマスの防衛産業および地域経済を強化する最大8400万ポンド規模の投資パッケージを発表しました。英国政府が「防衛成長取引(Defence Growth Deal)」を通じて5000万ポンドの拠出を確定させ、これを呼び水に産業界や地域パートナーから最大3400万ポンドの追加投資を引き出す計画です。中核事業として海洋自律技術の国立拠点の整備・実現を進め、パッケージ全体で約1000人の雇用創出を見込むほか、防衛・先進製造分野での人材育成や企業集積を推進します。

本文
 英国防省は9月23日、イングランド南西部の港湾都市プリマスにおける防衛産業基盤と地域経済の成長を促進するため、最大8400万ポンド規模の事業計画を承認したと発表しました。本取り組みは、英国政府が支援する「防衛成長取引(Defence Growth Deal)」から5000万ポンドの政府資金の放出を確定し、これを基礎として産業界や地域のパートナーから最大3400万ポンドの追加投資を呼び込む形で、政府、産業界、地域パートナーが連携して進める地域産業政策です。

 投資パッケージの中核となるのが「海洋自律技術国立センター(National Centre for Marine Autonomy)」の整備・実現です。同拠点の確立により、先進的な海洋技術を開発するスタートアップや成長企業など30社以上の誘致を目指し、120人の雇用創出を見込んでいます。単なる軍事施設の更新にとどまらず、最先端技術の研究開発から企業誘致、スタートアップ育成までを一体で進める産業クラスタの形成を狙います。

 パッケージ全体では約1000人の新たな雇用創出が見込まれています。さらに、150万ポンドを投じる就業支援事業「ゲット・プリマス・ワーキング」を通じて、退役軍人や18~25歳の若者ら500人を防衛、先進製造、エンジニアリング、建設などの仕事へつなげる方針です。加えて約750人への新技術資格の習得支援、7000人以上の若者を対象としたSTEM(科学・技術・工学・数学)教育機会の提供など、人材開発基盤の拡充も盛り込まれました。

 英国政府は、より広範なプログラムを通じて英国企業400社以上が恩恵を受けると見込んでいます。対象にはロボティクス、人工知能(AI)、自律システム関連企業も含まれます。政府は海洋自律技術を核に、防衛、先進製造、人材育成、産業用地整備を組み合わせ、プリマスの再工業化につなげる方針です。確定した5000万ポンドの政府資金に対し、最大3400万ポンドの追加投資や企業誘致が今後どの程度実現するかが確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)