マクラーレンは英国に約5億ポンドを投資し、新たな車両生産施設の開設や南ヨークシャーのR&D・生産拠点の拡張を計画。将来のエンジンを初めて自社製造する計画も進め、2032年までに1000人を新規雇用する。(画像はイメージ)
今回のニュースのポイント
英国政府は9月16日、高性能車メーカーのMcLaren Automotiveが英国国内に約5億ポンド(約980億円)を投資し、2032年までに1000人の新規雇用を創出する計画を発表しました。投資対象は研究開発にとどまらず、南ヨークシャーのR&D・生産拠点の拡張や英国国内での新たな車両生産施設の開設が含まれます。さらに、将来モデル向けエンジンの初の自社内製化(in-house)計画や、高性能SUV(performance SUV)を含む製品ラインアップの拡張方針も示されました。
本文
高性能車メーカーの製造・開発機能を英国国内で拡大・強化する大型投資が明らかになりました。英国政府が9月16日に公表した資料によると、McLaren Automotive(マクラーレン)は英国国内の事業基盤拡大に向けて約5億ポンドを投じ、2032年までに1000人の新規雇用を創出する計画を表明しました。新規雇用の勤務地には、本社のあるウォーキング(Woking)や南ヨークシャー(South Yorkshire)などが含まれます。英国政府は本投資について、同社の直接雇用1000人に加え、関連する自動車サプライチェーン全体で最大3000人の追加雇用を支える効果が見込まれると説明しています。
今回の設備投資計画は、R&Dから実際の製造現場まで多岐にわたります。マクラーレンは南ヨークシャーにある既存の研究開発・生産拠点を拡張するとともに、英国国内に新たな車両生産施設を開設する方針です。同社は現行モデルと今後の新モデルを英国に置き、英国での設計・エンジニアリング・製造を継続する方針を示しています。
エンジン製造についても新たな計画が盛り込まれました。英国政府の発表によると、マクラーレンは将来の車両に搭載するエンジンについて、同社として初めて自社(in-house)で製造する計画を進めます。ただし、今回の政府発表ではエンジン製造を行う具体的な拠点位置や生産能力、稼働開始の時期などの詳細は明かされておらず、計画の具体化が今後の焦点となります。
車両ラインアップ面では、製品ポートフォリオの拡張計画が提示されました。マクラーレンは従来展開に加え、新たに高性能SUV(performance SUV)モデルを加える計画を公表しています。生産能力の増強に合わせて参入カテゴリーを広げる方針ですが、当該SUVモデルの発売時期、車両価格、生産予定台数といった具体的な仕様や事業計画については、今回の発表段階では記載されていません。
英国国内における機能の拡充は、一連の開発拠点展開とも連動しています。マクラーレンはすでにビスター(Bicester)に新しいデザイン・イノベーションセンターを開設しているほか、英中部のMIRAにエンジニアリング、試験、車両開発の新拠点を設けています。デザイン、研究開発、試験、エンジン製造、完成車組み立てという機能が英国国内で広がっています。
なお、今回の発表の背景には英国政府の産業政策が存在します。英国政府は、自動車産業に2035年までに40億ポンドを投じる方針を示しており、今回のマクラーレンによる約5億ポンドの投資は、こうした産業政策が進められるなかで発表されました。新生産施設の具体的ロケーションや着工時期、エンジン内製化に向けた設備投資の詳細など、約5億ポンドの投資計画がどのように個別事業へ落とし込まれるかが今後の確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













